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目次
- 1 不動産売買による所有権移転登記とは?
- 2 所有権移転登記をしないとどうなる?
- 3 売買登記は売主と買主の「共同申請」
- 4 不動産売買による所有権移転登記の全体的な流れ
- 5 STEP1 不動産売買契約を締結する
- 6 STEP2 住宅ローンの手続きを進める
- 7 STEP3 決済当日の流れ
- 8 STEP4 売主と買主が必要書類を準備する
- 9 STEP5 登記事項証明書で権利関係を確認する
- 10 STEP6 登記原因証明情報を作成する
- 11 STEP7 登録免許税とその他の税金を確認する
- 12 STEP8 法務局へ所有権移転登記を申請する
- 13 STEP9 登記完了後に登記識別情報を受け取る
- 14 所有権移転登記を自分で行いやすいケース
- 15 司法書士へ依頼した方がよいケース
- 16 不動産売買登記でよくある失敗例
- 17 司法書士へ依頼するメリット
- 18 司法書士法人あやめ池事務所の購入登記サポート
- 19 まとめ
不動産売買による所有権移転登記とは?
不動産を購入したあと、「売買契約を結んだから、もう自分の名義になっている」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、売買契約を締結しただけでは、法務局に保管されている不動産の登記名義は変わりません。
売主から買主へ不動産の名義を変更するためには、法務局で所有権移転登記を行う必要があります。
特に住宅ローンを利用する不動産売買では、所有権移転登記だけでなく、抵当権設定登記や売主側の抵当権抹消登記なども同時に行われることがあります。
そのため、決済当日は売主・買主・不動産会社・金融機関・司法書士など、多くの関係者が連携しながら手続きを進めます。
この記事では、司法書士の実務経験をもとに、次の内容を分かりやすく解説します。
- 不動産売買による所有権移転登記の流れ
- 売主と買主が準備する必要書類
- 決済当日に行われる手続き
- 自分で登記申請する場合の注意点
- 司法書士へ依頼した方がよいケース
「自分で登記できるのか」「司法書士へ依頼すべきか」「どのような費用がかかるのか」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
所有権移転登記をしないとどうなる?
売買代金を支払い、建物の鍵を受け取ったとしても、登記をしなければ登記簿上の所有者は売主のままです。
不動産の引渡しを受けて実際に住み始めていたとしても、登記名義が売主のままになっている状態は望ましくありません。
例えば、登記をしない間に次のような問題が生じる可能性があります。
- 売主が同じ不動産を第三者へ二重に売却する
- 売主の債権者から不動産を差し押さえられる
- 売主が破産する
- 売主が死亡し、相続が発生する
- 将来売却するときに名義関係が複雑になる
自分が正当な所有者であることを第三者へ主張するためには、所有権移転登記を行っておくことが重要です。
売買登記は売主と買主の「共同申請」
売買による所有権移転登記は、原則として売主と買主が共同で申請します。
これを共同申請といいます。
買主だけで自由に名義変更できる仕組みにしてしまうと、本当に売買契約が成立しているのか、売主が本当に所有権を移転する意思を持っているのかを確認できません。
そのため、売主は権利証や印鑑証明書などを提出し、買主は住民票などを提出して、双方が協力して申請する仕組みになっています。
もっとも、売主と買主が一緒に法務局の窓口へ行かなければならないわけではありません。
一般的な不動産売買では、売主と買主が登記申請を司法書士へ委任し、司法書士が双方の代理人として登記申請を行います。
不動産売買による所有権移転登記の全体的な流れ
まずは、不動産売買から登記完了までの全体的な流れを確認しましょう。
- 不動産売買契約を締結する
- 住宅ローンの手続きを進める
- 登記に必要な書類を準備する
- 決済日に残代金を支払う
- 所有権移転登記を申請する
- 法務局で登記の審査が行われる
- 登記完了後に登記識別情報を受け取る
基本的な流れは「契約・準備・決済・申請・完了」です。
図① 不動産売買から登記完了までの流れ
STEP1 不動産売買契約を締結する
所有権移転登記は、売買契約が成立して初めて行える手続きです。
最初に、売主と買主の間で不動産売買契約を締結します。
売買契約書では、主に次のような事項を取り決めます。
- 売買する不動産
- 売買代金
- 手付金の金額
- 残代金の支払日
- 不動産の引渡日
- 契約解除に関する条件
- 固定資産税などの精算方法
- 登記費用の負担方法
売買契約書は、後に登記原因証明情報を作成するときにも重要な資料になります。
売買契約を結んだ日に登記するとは限らない
不動産売買契約を締結した日に、すぐ所有権移転登記を行うケースは多くありません。
一般的には、次のように契約日と決済日が分かれています。
売買契約
↓
住宅ローンの本審査
↓
金融機関との金銭消費貸借契約
↓
決済・引渡し
↓
所有権移転登記
売買契約を締結したあと、買主は住宅ローンの準備を進め、売主は抵当権抹消や引渡しに必要な準備を行います。
決済日とは?
決済日とは、買主が売買代金の残額を支払い、売主が不動産を引き渡す日のことです。
決済日は、売主と買主だけでなく、不動産会社・金融機関・司法書士などの予定も調整して決定します。
所有権移転登記は、原則として残代金が支払われ、所有権が買主へ移転した日に申請します。
STEP2 住宅ローンの手続きを進める
住宅ローンを利用する場合は、所有権移転登記と同時に、金融機関のための抵当権設定登記を行います。
そのため、金融機関との調整も非常に重要です。
住宅ローンがある場合の登記
住宅ローンを利用する場合、一般的には次の登記を同日に申請します。
- 売主から買主への所有権移転登記
- 買主を債務者とする抵当権設定登記
- 売主側に残っている抵当権の抹消登記
- 必要に応じて売主の住所変更登記
複数の登記を同時に申請するため、必要書類や申請順序を正確に整理しなければなりません。
金融機関が司法書士の関与を求める理由
実務上、多くの金融機関では、司法書士が登記手続きを担当することを前提として融資を進めています。
金融機関は、住宅ローンを融資した日に、確実に抵当権を設定する必要があります。
仮に融資だけが実行され、抵当権設定登記に失敗すると、金融機関は担保を確保できません。
そのため、買主が「登記は自分で行います」と希望しても、金融機関から司法書士の関与を求められることがあります。
住宅ローンを利用して自分で登記したい場合は、売買契約を進める前に金融機関へ確認しておきましょう。
現金購入なら自分で登記しやすい?
住宅ローンを利用しない現金購入では、抵当権設定登記はありません。
そのため、住宅ローンを利用するケースと比較すると、登記手続きはシンプルです。
ただし、現金購入であっても、次のような事情があると難易度が上がります。
- 売主の登記簿上の住所が現住所と異なる
- 不動産に抵当権が残っている
- 売主が権利証を紛失している
- 売主が相続した不動産を売却する
- 共有者が複数いる
- 土地と建物の名義人が異なる
「現金購入だから簡単」と決めつけず、事前に登記事項証明書を確認することが大切です。
STEP3 決済当日の流れ
不動産売買では、売買契約とは別の日に決済日を設けるのが一般的です。
住宅ローンを利用する場合は、買主が融資を受ける金融機関の店舗や応接室で決済することが多くあります。
最近では、売主・買主・不動産会社がそれぞれ別の場所にいる状態で、振込やオンライン面談を利用して決済するケースもあります。
決済当日に集まる人
一般的な決済では、次のような関係者が参加します。
- 売主
- 買主
- 売主側の不動産会社
- 買主側の不動産会社
- 金融機関の担当者
- 司法書士
決済にかかる時間は、振込手続きや金融機関の混雑状況にもよりますが、おおむね30分から1時間程度です。
決済当日の一般的な手順
- 関係者が集合する
- 司法書士が売主・買主の本人確認を行う
- 司法書士が登記に必要な書類を確認する
- 司法書士が金融機関へ融資実行の連絡をする
- 住宅ローンの融資が実行される
- 買主から売主へ残代金が支払われる
- 固定資産税や管理費などを精算する
- 売主から買主へ鍵や関係書類を引き渡す
- 司法書士が法務局へ登記申請を行う
図② 不動産売買の決済当日のタイムライン
司法書士は決済当日に何を確認する?
決済日に司法書士が最も重視するのは、このまま登記申請して問題がないかという点です。
具体的には、次のような事項を確認します。
- 売主本人で間違いないか
- 買主本人で間違いないか
- 売主に売却意思があるか
- 権利証または登記識別情報があるか
- 印鑑証明書の有効期限に問題がないか
- 登記簿上の住所と現住所が一致しているか
- 売買契約書と登記書類の内容が一致しているか
- 抵当権抹消に必要な書類が揃っているか
- 登記申請の順序に問題がないか
司法書士が「登記申請できる状態です」と確認してから、金融機関が融資を実行します。
決済日に書類不足が分かったら?
例えば、売主が権利証を忘れていたり、印鑑証明書の期限が切れていたりすると、そのままでは所有権移転登記を申請できません。
また、登記簿上の住所と売主の現在の住所が異なっている場合は、所有権移転登記の前提として住所変更登記が必要です。
必要書類を当日中に準備できなければ、決済を延期しなければならない可能性もあります。
決済日は、お金を支払う日であると同時に、確実に登記できる状態かを最終確認する日です。
STEP4 売主と買主が必要書類を準備する
所有権移転登記では、売主と買主がそれぞれ必要書類を準備します。
一般的な必要書類は、次のとおりです。
| 書類 | 売主 | 買主 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 登記識別情報・権利証 | 必要 | 不要 | 売主が登記名義人であることの確認 |
| 印鑑証明書 | 必要 | 通常不要 | 売主の実印の確認 |
| 実印 | 必要 | 場合による | 委任状などへの押印 |
| 住民票 | 場合による | 必要 | 買主の住所を登記するため |
| 本人確認書類 | 必要 | 必要 | 本人確認 |
| 固定資産評価証明書など | 場合による | 場合による | 登録免許税の計算 |
| 売買契約書 | 必要 | 必要 | 売買条件の確認 |
| 登記原因証明情報 | 必要 | 必要 | 所有権移転の原因を証明 |
実際に必要となる書類は、不動産や当事者の状況によって異なります。
例えば、次のようなケースでは追加書類が必要です。
- 売主の住所や氏名が登記簿と異なる
- 不動産に抵当権が設定されている
- 売主が権利証を紛失している
- 売主が相続した不動産を売却する
- 買主が住宅ローンを利用する
- 買主が共有名義で購入する
- 法人が売主または買主になる
図③ 売主・買主の必要書類一覧
売主の権利証は特に重要
売主が準備する書類の中でも、特に重要なのが権利証または登記識別情報です。
登記識別情報は、12桁の英数字によって管理されている重要な情報です。
紛失しても所有権移転登記ができなくなるわけではありませんが、司法書士が本人確認情報を作成するなど、通常とは異なる手続きが必要になります。
権利証が見当たらない場合は、決済日直前ではなく、できるだけ早めに司法書士へ相談しましょう。
STEP5 登記事項証明書で権利関係を確認する
不動産売買による所有権移転登記を行う前には、登記事項証明書を取得して権利関係を確認します。
登記事項証明書は、法務局の窓口・郵送・オンラインで取得できます。
表題部で確認すること
表題部には、不動産の物理的な情報が記載されています。
土地であれば所在・地番・地目・地積、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積などです。
売買契約書に記載された不動産と、登記簿に記載された不動産が一致しているかを確認します。
権利部の甲区で確認すること
権利部の甲区には、所有権に関する事項が記載されています。
現在の登記名義人が売主と一致しているか、共有者がいないかなどを確認します。
共有名義の不動産を売却する場合は、原則として共有者全員が売主として手続きに関与します。
権利部の乙区で確認すること
権利部の乙区には、抵当権や根抵当権など、所有権以外の権利が記載されています。
住宅ローンが残っている場合は、金融機関の抵当権が記載されていることが一般的です。
抵当権が残っている場合
売主の住宅ローンが残っている場合は、決済日に買主から受け取った売買代金などを使ってローンを完済し、抵当権抹消登記を行います。
一般的には、次の登記を連続して申請します。
- 売主の住所変更登記が必要であれば住所変更登記
- 売主側の抵当権抹消登記
- 売主から買主への所有権移転登記
- 買主側の抵当権設定登記
抵当権が付いたままの不動産をそのまま買主へ引き渡すことは、通常ありません。
STEP6 登記原因証明情報を作成する
所有権移転登記では、「なぜ所有権が移転したのか」を法務局へ示す必要があります。
そのために提出する書類が登記原因証明情報です。
売買による登記原因証明情報には、一般的に次の事項を記載します。
- 売主と買主の住所・氏名
- 売買の対象となる不動産
- 売買契約を締結した日
- 売買代金を支払った日
- 所有権が移転した日
- 所有権移転の条件
登記原因証明情報の記載例
令和○年○月○日、売主Aと買主Bは、本件不動産について売買契約を締結した。
令和○年○月○日、買主Bは売主Aに対して売買代金全額を支払い、売主Aはこれを受領した。
よって、同日、本件不動産の所有権は売主Aから買主Bへ移転した。
実際には、売買契約書に記載された所有権移転時期や支払条件に合わせて作成する必要があります。
事実と異なる内容を記載してはいけません。
売買契約書だけを提出すればよい?
売買契約書を登記原因証明情報として利用できる場合もあります。
ただし、売買契約書には登記に不要な個人情報や細かな契約条件も多数記載されています。
そのため、実務では登記申請に必要な事項だけを整理した登記原因証明情報を別途作成することが一般的です。
STEP7 登録免許税とその他の税金を確認する
不動産売買では、登記費用だけでなく、複数の税金が発生する可能性があります。
売主と買主で負担する税金が異なるため、事前に整理しておきましょう。
登録免許税
所有権移転登記を申請するときは、登録免許税を納めます。
登録免許税は、原則として不動産の固定資産税評価額をもとに計算します。
売買代金を基準に計算するわけではありません。
住宅を購入する場合、一定の要件を満たすことで登録免許税の軽減措置を受けられることがあります。
軽減措置を利用するためには、住宅用家屋証明書などの書類を準備し、登記申請書にも適切な記載を行う必要があります。
不動産取得税
不動産取得税は、不動産を取得した買主に課税される都道府県税です。
登記申請時に法務局へ納める税金ではありませんが、購入後しばらくしてから納税通知書が届くことがあります。
住宅や住宅用土地を取得した場合には、一定の軽減措置を受けられる可能性があります。
譲渡所得税
売主が不動産を売却して利益を得た場合、譲渡所得税が課税されることがあります。
購入時の金額や売却にかかった費用、所有期間などによって税額が変わります。
譲渡所得税は登記費用とは別の税金であり、原則として売主が確定申告を行います。
STEP8 法務局へ所有権移転登記を申請する
必要書類がすべて揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。
登記申請の方法は、主に次の3つです。
- 法務局の窓口へ提出する
- 郵送で提出する
- オンラインで申請する
一般の方が自分で申請する場合は、法務局の窓口または郵送を利用することが多く、司法書士はオンライン申請を利用するのが一般的です。
申請先は不動産所在地の管轄法務局
登記申請は、全国どこの法務局でも提出できるわけではありません。
売買する不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。
売主や買主の住所を管轄する法務局ではないため、注意してください。
登記申請は決済当日に行う
一般的な不動産売買では、残代金の支払いが確認できたあと、司法書士がその日のうちに登記申請を行います。
決済だけを済ませて、数日後に登記申請するような対応は、買主にとってリスクがあります。
代金の支払いと所有権移転登記の申請を同日に行うことが、売買登記の重要なポイントです。
書類に不備がある場合の補正
登記申請書や添付書類に不備があると、法務局から補正の連絡が入ります。
よくある補正内容には、次のようなものがあります。
- 申請書の住所や氏名の誤記
- 不動産の表示の記載ミス
- 添付書類の不足
- 登録免許税の計算ミス
- 登記原因証明情報の記載不足
- 委任状の記載や押印の不備
軽微な不備であれば訂正できることもあります。
しかし、売主の署名や実印による押印が必要な部分に不備があると、売主へ再度対応をお願いしなければならない場合があります。
STEP9 登記完了後に登記識別情報を受け取る
登記を申請すると、法務局で審査が行われます。
申請したその場で名義変更が完了するわけではありません。
法務局の混雑状況にもよりますが、一般的には申請から1週間から2週間程度で登記が完了します。
登記完了後に受け取る書類
登記が完了すると、一般的に次の書類を受け取ります。
- 登記識別情報通知
- 登記完了証
- 登記事項証明書
- 返却された原本書類
登記識別情報は再発行できない
登記識別情報は、将来その不動産を売却したり、贈与したり、担保に入れたりするときに必要となる重要な情報です。
紛失しても所有権を失うわけではありませんが、登記識別情報は再発行されません。
金融機関から受け取る住宅ローン関係書類などとは分けて、大切に保管してください。
所有権移転登記を自分で行いやすいケース
売買による所有権移転登記は、法律上、必ず司法書士へ依頼しなければならない手続きではありません。
売主と買主が自分で申請することも可能です。
例えば、次のようなケースは比較的自分で進めやすいと考えられます。
- 住宅ローンを利用しない現金購入
- 売主側に抵当権が付いていない
- 売主の住所や氏名に変更がない
- 権利証などの必要書類がすべて揃っている
- 売主と買主の関係が良好である
- 法務局へ何度か相談に行ける
- 決済日まで十分な時間がある
ただし、自分で登記する場合でも、売主・不動産会社・金融機関などの了承を得ておく必要があります。
司法書士へ依頼した方がよいケース
次のようなケースでは、自分で進めるよりも司法書士へ依頼した方が安心です。
| 状況 | おすすめ | 主な理由 |
|---|---|---|
| 現金購入・抵当権なし | 自分でも検討可能 | 登記の種類が比較的少ない |
| 住宅ローンを利用する | 司法書士への依頼を推奨 | 金融機関との調整と抵当権設定が必要 |
| 売主の抵当権を抹消する | 司法書士への依頼を推奨 | 抹消と移転を連続して申請する必要がある |
| 売主の住所変更がある | 司法書士への依頼を推奨 | 住所のつながりを証明する書類が必要 |
| 権利証を紛失している | 司法書士への依頼を推奨 | 本人確認情報などの対応が必要 |
| 相続した不動産を売却する | 司法書士への依頼を推奨 | 相続登記を先に完了させる必要がある |
不動産売買登記でよくある失敗例
事例1 売主の住所が登記簿と違っていた
売主が以前に引っ越しており、登記簿には旧住所が記載されたままになっているケースです。
この場合、所有権移転登記の前提として、売主の住所変更登記を申請する必要があります。
住所変更が1回だけであれば住民票で確認できることが多いですが、複数回転居している場合は、戸籍の附票や住民票の除票などが必要になることがあります。
事例2 売主の抵当権抹消書類が準備できていなかった
売主が住宅ローンを完済する予定でも、金融機関への連絡が遅れると、決済日に抵当権抹消書類が準備できないことがあります。
金融機関によっては、完済の申込みから抹消書類の交付までに一定の日数が必要です。
決済日が決まったら、早めに売主側の金融機関へ連絡しましょう。
事例3 権利証が見つからなかった
「家のどこかにあるはず」と思って探していたものの、決済直前になっても権利証が見つからないケースがあります。
権利証がなくても売却はできますが、司法書士による本人確認情報の作成などが必要です。
追加費用も発生するため、売却を決めた段階で確認しておくことが大切です。
事例4 登録免許税を間違えた
登録免許税は、売買代金ではなく、原則として固定資産税評価額を基準に計算します。
また、土地と建物では税率や軽減措置の適用条件が異なることがあります。
計算を間違えると補正や追加納付が必要です。
事例5 金融機関から自分での登記を断られた
買主が費用を節約するために自分で登記しようとしたものの、住宅ローンを融資する金融機関から司法書士の関与を求められるケースです。
売買契約や融資手続きが進んでから判明すると、司法書士を急いで探さなければなりません。
住宅ローンを利用する場合は、自分で登記できるかを最初に金融機関へ確認してください。
司法書士へ依頼するメリット
司法書士へ依頼すると、単に登記申請書を作成してもらえるだけではありません。
一般的には、次のような対応をまとめて任せられます。
- 登記事項証明書による権利関係の確認
- 売主と買主への必要書類の案内
- 売主・買主の本人確認と意思確認
- 登記原因証明情報や委任状の作成
- 登録免許税の計算
- 住宅用家屋証明書の取得
- 金融機関との調整
- 決済当日の立会い
- 法務局への登記申請
- 法務局からの補正対応
- 登記完了書類の受領と返却
不動産売買は、数千万円単位のお金が動くことも珍しくありません。
決済日に書類不備が判明すると、売主・買主だけでなく、不動産会社や金融機関にも影響が及びます。
登記費用だけでなく、決済を安全かつ予定どおり完了させるための費用として考えることが大切です。
司法書士法人あやめ池事務所の購入登記サポート
司法書士法人あやめ池事務所では、不動産売買による所有権移転登記を取り扱っています。
現金購入・住宅ローンを利用する購入・個人間売買など、状況に応じて必要な登記と費用をご案内します。
「司法書士費用をできるだけ抑えたい」「不動産会社から紹介された司法書士の見積りが高い」「必要な部分だけ依頼したい」といったご相談にも対応しています。
まとめ
不動産売買による所有権移転登記は、売買契約を締結しただけでは完了しません。
売買契約後に必要書類を準備し、決済日に残代金を支払い、法務局へ登記申請を行って初めて、登記名義が売主から買主へ変更されます。
現金購入で抵当権もなく、売主と買主の必要書類が揃っているケースであれば、自分で登記申請することも可能です。
一方で、住宅ローンを利用する場合や、抵当権抹消・住所変更・権利証紛失などがある場合は、登記手続きが複雑になります。
不動産売買では、残代金の支払いと所有権移転登記を安全かつ確実に同時進行させることが重要です。
「自分で手続きできるか分からない」「必要書類や登記費用を知りたい」という場合は、決済日が近づく前に司法書士へ相談することをおすすめします。



