【2026年8月リライト】
不動産名義変更を「自分でやる場合」と「司法書士へ依頼する場合」の違いについて、費用・手間・難易度まで含めて分かりやすく整理しました。
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目次
- 1 不動産の名義変更は自分でできる?
- 2 自分でやる?司法書士に依頼する?まずは比較
- 3 自分で不動産名義変更すると本当に安い?
- 4 ただし「自分の時間」も費用として考えてみよう
- 5 自分で不動産名義変更する基本的な手順
- 6 相続・贈与・売買・離婚では難易度が違う
- 7 自分でも比較的やりやすいケース
- 8 司法書士へ依頼した方がいいケース
- 9 司法書士へ依頼すると何をしてくれる?
- 10 司法書士に頼んでも税金は安くならない
- 11 具体例|自分で登記する場合と司法書士へ依頼する場合
- 12 結局、自分でやるのと司法書士、どっちがおすすめ?
- 13 迷ったらAIシミュレーターで必要な手続と費用を確認
- 14 まとめ|「安さ」だけでなく手間と難易度まで比較しよう
不動産の名義変更は自分でできる?
結論からいうと、不動産の名義変更登記は自分でもできます。
相続や生前贈与、売買、離婚による財産分与などで不動産の所有者が変わった場合、法務局へ所有権移転登記を申請します。
登記手続は司法書士へ依頼するケースが多いですが、「不動産登記は司法書士に依頼しなければならない」わけではありません。
本人が自分の登記を申請することも可能です。
そのため、
- できるだけ費用を抑えたい
- 平日に時間が取れる
- 自分で書類を調べたり作ったりするのが苦にならない
という方なら、自分で登記することを検討してもよいでしょう。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「自分でできる」と「自分でやった方がいい」は別の話です。
不動産名義変更には比較的シンプルなケースもあれば、司法書士でも慎重に確認しながら進めるケースもあります。
まずは、自分でやる場合と司法書士へ依頼する場合の違いを比較してみましょう。
自分でやる?司法書士に依頼する?まずは比較
| 比較項目 | 自分で登記 | 司法書士へ依頼 |
|---|---|---|
| 司法書士報酬 | 0円 | 必要 |
| 登録免許税 | 必要 | 必要 |
| 必要書類の確認 | 自分 | 司法書士 |
| 書類収集 | 原則自分 | 代行可能なものあり |
| 登記申請書作成 | 自分 | 司法書士 |
| 登録免許税の計算 | 自分 | 司法書士 |
| 法務局への申請 | 自分 | 司法書士 |
| 補正への対応 | 自分 | 司法書士 |
| 手間・時間 | かかる | 少ない |
| 複雑な案件 | 難しい | 対応しやすい |
一番大きな違いは、司法書士報酬を節約するか、手間と時間を減らすかという点です。
自分でやれば司法書士報酬は0円です。
その代わり、司法書士が行う作業を自分でする必要があります。
自分で不動産名義変更すると本当に安い?
「司法書士に頼むと高そうだから、自分でやろう」と考える方は少なくありません。
確かに、自分で登記すれば司法書士報酬はかかりません。
その分は確実に安くなります。
ただし、ここでよくある勘違いがあります。
自分で登記しても、登録免許税などの実費まで安くなるわけではありません。
登録免許税は自分でやっても同じ
例えば、固定資産税評価額1,000万円の不動産を生前贈与するとします。
贈与による所有権移転登記の登録免許税は、原則として次のように計算します。
これは、自分で登記しても司法書士へ依頼しても基本的に同じです。
司法書士に依頼したから登録免許税が高くなるわけでも、自分で申請したから安くなるわけでもありません。
つまり、自分で登記して節約できるのは、基本的に「司法書士報酬」の部分と考えると分かりやすいでしょう。
ただし「自分の時間」も費用として考えてみよう
ここは少し違った角度から考えてみましょう。
例えば、司法書士報酬が5万円だったとします。
「5万円も違うなら自分でやろう」と思うのは自然です。
しかし、自分で登記する場合には、次のような作業が発生します。
- 登記内容を調べる
- 登記事項証明書を確認する
- 必要書類を調べる
- 市役所などで書類を取得する
- 登録免許税を計算する
- 登記申請書を作る
- 登記原因証明情報などを作る
- 法務局へ相談する
- 登記を申請する
- 不備があれば補正する
- 完了後の書類を確認する
法務局へ相談する場合には、平日に時間を確保しなければならないこともあります。
一度で終わればよいのですが、
「この書類が足りません」
「ここを修正してください」
となれば、もう一度対応する必要があります。
そのため、「司法書士報酬をいくら節約できるか」だけでなく、「そのために自分の時間を何時間使うか」まで含めて比較するのがおすすめです。
自分で不動産名義変更する基本的な手順
相続・贈与・売買・財産分与によって内容は異なりますが、大まかな流れを見てみましょう。
STEP1 なぜ名義変更するのかを確認する
最初に確認するのは、「何を原因として名義変更するのか」です。
父が亡くなったので長男へ移す
→ 相続
父から長男へ無償で渡す
→ 贈与
父から長男へ代金を支払って取得する
→ 売買
離婚に伴って夫から妻へ移す
→ 財産分与
同じ「父から子への名義変更」でも、贈与と売買では必要書類も税金も違います。
単に「名義を父から子に変えたい」だけでは登記手続は決まりません。
まず登記原因を正しく整理することがスタートです。
STEP2 登記事項証明書などで不動産を確認する
次に、対象不動産の情報を確認します。
登記事項証明書などで、所在・地番・家屋番号・現在の所有者・共有持分・抵当権などの権利を確認します。
例えば、
「父の単独名義だと思っていたら、実際には父と母の共有だった」
ということもあります。
また、住宅ローンを完済していても、抵当権が登記簿上残っているケースもあります。
登記を作る前に、現在の登記状態を正確に確認することが重要です。
STEP3 必要書類を集める
次に必要書類を集めます。
ただし、必要書類は名義変更の原因によって違います。
例えば相続なら、戸籍謄本・住民票・遺産分割協議書など。
贈与なら、登記識別情報・印鑑証明書・住民票・贈与契約書など。
売買なら、売主・買主それぞれの書類に加えて、売買契約書など。
離婚の財産分与なら、離婚成立を確認できる戸籍や財産分与に関する書類などが必要になります。
「不動産名義変更の必要書類」と一括りにはできないのが難しいところです。
STEP4 固定資産税評価額を確認する
登記申請では登録免許税を計算します。
その計算に使うのが、原則として不動産の固定資産税評価額です。
毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に付属する課税明細などで確認できます。
必要に応じて、市区町村で固定資産評価証明書等を取得します。
注意したいのが、売買価格や市場価格と固定資産税評価額は同じではないという点です。
STEP5 登記申請書・登記原因証明情報などを作成する
必要書類がそろったら登記申請書を作成します。
登記申請書には、登記の目的、登記原因、権利者、義務者、対象不動産、課税価格、登録免許税などを記載します。
贈与や売買などでは、登記原因証明情報などの作成も必要になります。
法務局には登記申請書の様式や記載例がありますが、自分のケースにそのまま当てはまるとは限りません。
STEP6 法務局へ登記を申請する
書類が完成したら、管轄法務局へ登記申請を行います。
どこの法務局でも申請できるわけではありません。
原則として、不動産所在地を管轄する法務局へ申請します。
申請後、登記官が内容を審査し、書類や申請内容に問題があれば補正を求められることがあります。
STEP7 登記完了後の書類を確認する
登記が完了すると、登記完了証や登記識別情報通知などが交付されます。
特に登記識別情報は、いわゆる「権利証」に相当する重要な情報です。
将来、その不動産を売却したり担保設定したりするときに必要になる可能性があります。
登記が終わったら終わりではなく、完了後の書類を確認して大切に保管しましょう。
相続・贈与・売買・離婚では難易度が違う
ここまで基本的な流れを説明しましたが、実際には名義変更の原因によって難易度がかなり違います。
相続による名義変更
相続では、亡くなった方の戸籍を集めて相続人を確定し、遺言書や遺産分割協議の内容に応じて登記します。
相続関係が単純なら自分で進められるケースもあります。
一方、相続人が多い、数世代にわたって相続登記されていない、相続人の一部がすでに亡くなっている、といったケースでは一気に難しくなります。
生前贈与による名義変更
贈与は、当事者がはっきりしているため、比較的自分で登記しやすいケースもあります。
ただし問題は税金です。
贈与税・登録免許税・不動産取得税などが関係する可能性があります。
登記そのものはできても、税金を確認せずに贈与するのはおすすめできません。
売買による名義変更
売買は少し性質が違います。
特に、売買代金の支払いと同時に所有権移転登記を行う通常の不動産取引では、司法書士が関与するケースが一般的です。
住宅ローンを利用するなら金融機関との調整も必要になります。
一方、親子間・知人間などで住宅ローンを利用しない個人間売買なら、自分たちで手続を検討するケースもあります。
ただし、「売買契約書を作って名義変更すれば終わり」ではありません。
代金決済、所有権移転、固定資産税等の精算、税金などをまとめて考える必要があります。
離婚・財産分与による名義変更
離婚による財産分与も注意が必要です。
例えば、「離婚したので夫名義の家を妻へ変える」だけなら簡単に見えるかもしれません。
しかし住宅ローンが残っていると、所有者は妻、住宅ローン債務者は夫という状態になることがあります。
金融機関との契約内容も確認する必要があります。
また、財産分与では、不動産を渡す側に譲渡所得税が問題になるケースもあります。
離婚による名義変更は、登記だけを見て判断しない方がよい分野です。
自分でも比較的やりやすいケース
では、どのようなケースなら自分で登記しやすいのでしょうか。
- 権利関係が単純
- 不動産が1~2個程度
- 当事者間で争いがない
- 必要書類がそろっている
- 住宅ローンなどが絡まない
- 平日に法務局へ相談できる
- 書類作成を自分で調べる時間がある
例えば、
「父から長男へ、住宅ローンのない土地1筆を贈与する」
父も長男も手続内容に納得していて、必要書類もそろっている。
このようなケースなら、自分で登記に挑戦することも十分考えられます。
司法書士へ依頼した方がいいケース
逆に、次のようなケースでは司法書士への依頼を検討した方がよいでしょう。
- 相続人が多い
- 相続関係が複雑
- 何代も相続登記されていない
- 不動産が多数ある
- 共有持分を移転する
- 権利証・登記識別情報を紛失している
- 住宅ローンや抵当権が絡む
- 売買代金の決済と同時に登記する
- 離婚と住宅ローンが絡む
- 急いで名義変更したい
- 平日に法務局へ行く時間がない
- そもそも何の登記をすればよいか分からない
例えば、
「亡くなった祖父名義の土地を父名義にしたい」
と思って調べてみたら、父もすでに亡くなっていて、叔父や叔母も相続に関係していた。
こうなると、単純な親子間の相続登記ではありません。
自分でできるかどうかは、「登記」という名前だけではなく、中身を見て判断する必要があります。
司法書士へ依頼すると何をしてくれる?
司法書士へ不動産名義変更を依頼すると、単に登記申請書を作るだけではありません。
案件によりますが、一般的には次のような作業を行います。
- 現在の登記内容の確認
- 必要な登記の判断
- 必要書類の案内
- 取得可能な書類の収集
- 登録免許税の計算
- 登記申請書の作成
- 登記原因証明情報等の作成
- 当事者の本人確認・意思確認
- 法務局への登記申請
- 法務局からの照会・補正対応
- 完了後の登記内容確認
- 登記識別情報等の返却
つまり、司法書士は「法務局へ書類を出してくれる人」だけではありません。
不動産の権利関係を確認して、必要な登記を組み立て、登記完了まで管理するのが司法書士の役割です。
司法書士に頼んでも税金は安くならない
ここは改めて整理しておきましょう。
司法書士に依頼するか、自分で登記するかによって変わるのは、主に司法書士報酬です。
一方で、
- 登録免許税
- 贈与税
- 不動産取得税
- 相続税
- 譲渡所得税
などは、司法書士へ依頼したから高くなる税金ではありません。
逆に、自分で登記したから安くなる税金でもありません。
例えば贈与で高額な贈与税が発生するケースなら、司法書士報酬を数万円節約することより、そもそもその贈与方法でよいのかを確認する方が重要なこともあります。
具体例|自分で登記する場合と司法書士へ依頼する場合
簡単な例を見てみましょう。
父から長男へ、固定資産税評価額1,000万円の土地を贈与するケースです。
| 費用 | 自分で登記 | 司法書士へ依頼 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 約20万円 | 約20万円 |
| 証明書等の実費 | 必要 | 必要 |
| 司法書士報酬 | 0円 | 別途必要 |
このように、登録免許税部分は変わりません。
違うのは司法書士報酬です。
ただし司法書士へ依頼すれば、
「この書類で大丈夫?」
「登録免許税の計算は合っている?」
「この契約書で登記できる?」
「法務局から連絡が来たけど、どうすればいい?」
といった部分を自分で調べる必要がなくなります。
ここに司法書士へ依頼する意味があります。
結局、自分でやるのと司法書士、どっちがおすすめ?
これは一律には決められません。
時間があり、内容が単純で、自分で調べることが苦にならないなら、自分で登記するのも十分ありです。
当事務所でも、「どんな登記でも司法書士に依頼すべき」とは考えていません。
一方で、
平日に法務局へ何度も行けない
書類を調べる時間がない
住宅ローンが絡んでいる
相続関係が複雑
失敗できない売買
というケースなら、司法書士へ任せた方がスムーズです。
要するに、司法書士報酬を節約するメリットと、自分で手続する時間・手間・リスクを比較して決めるということです。
迷ったらAIシミュレーターで必要な手続と費用を確認
「自分でやるか、司法書士に頼むか以前に、そもそも何の手続が必要か分からない」
という方も多いと思います。
その場合は、司法書士法人あやめ池事務所のAIシミュレーターで一度整理してみてください。
相続・贈与・売買・離婚など、いくつかの質問に答えることで、必要な手続や費用、おすすめのプランを確認できます。
自分で登記するか司法書士へ依頼するかを決める前に、「自分の場合はどんな手続になるのか」を知っておくと判断しやすくなります。
まとめ|「安さ」だけでなく手間と難易度まで比較しよう
不動産の名義変更登記は、自分でもできます。
自分で手続すれば司法書士報酬はかからないので、その分の費用を節約できます。
ただし、登録免許税などの実費は、自分でやっても司法書士へ依頼しても基本的に同じです。
そのため、「司法書士報酬はいくらか」だけで判断するのではなく、「自分で手続するために、どれくらいの時間と手間が必要か」まで比較してみてください。
単純な名義変更で時間に余裕があるなら、自分で挑戦するのもひとつの方法です。
反対に、相続関係が複雑だったり、住宅ローンや売買決済が絡んだりするケースでは、司法書士へ依頼した方が安全かつスムーズでしょう。
そして、どちらを選ぶ場合でも重要なのは、名義変更をする前に必要な登記と税金を確認することです。



