【事例解説】木津川市の土地について、義理の息子との間で売買する場合
土地(木津川市)について、義理の息子との間で売買する場合の手続や費用について、事例に沿って解説しています。
目次
木津川市の土地を親族間で売買する場合の不動産名義変更の事例
義理の父に資金援助をするにあたり、義理の父名義の不動産を買取ることにしました。
義理の父に資金援助すると贈与になるため贈与税の対象になってしまいます。その点、義理の父が所有している不動産を私(義息子)が買えば贈与ではなく売買なので、贈与税の問題は発生しないと考えたのです。
売買の対象にするのは義理の父名義の木津川市の土地になります。
売買の条件については義父と話し合って決めました。不動産仲介業者には頼まず、義理の父と私で個人的に売買することで話がまとまりました。売買金額は1,000万円の予定です。
このまま義父所有の土地売買を進める場合、手続きはどうしたらいいでしょう。不動産仲介会社を通さないため、売買手続きの進め方に不安を感じています。また、贈与税がかからなくても別の税金が課税されるのではないかとも不安を感じています。
売買手続きの進め方や注意点すべき点や税金など、専門家の視点でアドバイスをお願いいたします。
相談の要点
・義父に資金援助をしたいが贈与税が不安なので売買にした。
・義父名義の土地を1,000万円で売買する。不動産仲介業者は使わない。
・売買する土地の情報は以下の通りである
木津川市の土地150㎡(固定資産評価額 /800万円)
・義父と自分(義息子)の売買はどのように進めたらいいのか
・贈与税がかからなくても課税される税金はあるのか
親族間で不動産の売買を行う場合の注意点について
不動産を個人売買するときの基本的な流れは次の通りです。
1 個人売買の条件を決める
2 売買契約を結ぶ
3 売買金の決済と不動産の引き渡し
4 不動産の名義変更登記をする
個人売買も基本的な流れは仲介による売買と変わりません。まずは個人売買の基本的な流れを把握しておきましょう。
注意したいポイントは、売買時の金額や証拠の残し方になります。税金もかかるため注意が必要です。
注意すべき3つのポイントについて順番に説明します。
親族間の売買であっても、書類とお金については明確に!
ご相談内容の土地売買はいわゆる親族間の土地売買です。他人と不動産の売買をするよりも気心が知れているため、「売る」「買う」で簡単に進めてしまいがちなケースです。
税務署は贈与税逃れとしておこないそうなことを把握しています。売買の証拠を残さず進めてしまうと、税務署から「贈与ではないか」と疑われたときに売買だと証明できません。証拠を逐一残すつもりで手続きを進めることが重要です。具体的には、書類の作成と記録を徹底する必要があります。
売買自体は「売ります」「買います」でできてしまいます。これは親族間売買でも同じです。しかし「売る」「買う」だけでは売買の証拠は残りません。贈与ではなく土地売買であることの証拠として売買契約書を作成しておきましょう。後の親族間トラブルを防ぐためにも売買契約書を作成しておくことは大切です。
売買契約書は司法書士などの法律のプロに作成してもらうことも可能です。売買契約書を信用力の高い公正証書として作成することもできます。
自分で作成することももちろん可能ですが、トラブル防止を考えるならプロが作成した売買契約書の方が安心です。文面なども個人売買の契約内容に合わせて作成できますので、相談してみてはいかがでしょう。
売買契約書以外では代金授受の記録と領収書も重要です。
代金授受の記録をつけていないと、後から「お金を払った」「払っていない」でトラブルになる可能性があります。売買金の授受は記録の残る方法でおこなうよう注意が必要です。金銭を受け取ったときは領収書もしっかり準備しておきましょう。
親しい仲でもお金が絡むとトラブルに発展することが少なくありません。トラブル対策を厳重にして困ることはありません。税務署に何か言われたときの対策という意味でも、書類と金銭の授受には注意すべきです。
実際の相場価格と大幅にずれた金額で取引するとダメ
資金援助が目的で親族間売買をする場合、不動産相場価格とずれた金額で取引するケースがあります。不動産相場価格と大幅にずれた金額で売買すると税務署に「贈与ではないか」と指摘される可能性があるため、価格設定には注意してください。
たとえば、相場価格が1,000万円なのに2,000万円で売却したらどうでしょう。税務署という第三者視点では「売買価格に上乗せするかたちで贈与したのではないか」と怪しく思うかもしれません。
また、相場価格が1,000万円の土地を200万円で売買したらどうでしょう。単純計算で買う側は800万円ほど得をしている計算ですから、同じく税務署が怪しく感じるかもしれません。
相場価格からずれるほど疑いを持たれやすくなります。売買価格によっては怪しまれる可能性がある点に注意してください。
登記費用、不動産取得税、譲渡所得税について
不動産売買の場合は贈与ではありませんから、贈与税の課税はありません。売買の場合は「登録免許税(登記費用)」「不動産取得税」「譲渡所得税」の課税があります。
登録免許税とは土地の名義変更登記をするときに必要な税金です。登記してもらうことへの手数料的な性質を持ちます。土地の名義変更登記をするときは登録免許税を払わなければいけません。
売買の場合は譲渡所得税の課税も考えられます。譲渡所得税とは不動産取引で利益が出たときに課税される税金です。
譲渡所得税は売却金額へ即課税されるわけではなく、譲渡費用や取得費などを差し引いて計算します。計算した結果、利益が出ていれば課税されるという仕組みです。
不動産取得税は不動産を取得したときにかかる税金になります。不動産取得税は土地の登記の有無や有償無性に関係なく、土地などの不動産を取得したときに課税される税金です。
司法書士法人あやめ池事務所からのご提案
仲介不動産会社を使わず土地売買するときも、基本的な流れは同じです。売買条件を決めて売買契約を結び、代金決済して土地の引き渡しや名義変更登記という流れになります。
親族間で土地を売買するときは、売却価格の設定と売買契約書など証拠となる書類を残すことが注意点です。
売買価格の設定が相場からずれていると贈与を疑われる原因になります。売買契約書や金銭の記録をつけておかないと、トラブルのものになる可能性もあります。書類作成や金銭の記録はしっかりおこないましょう。
売買では贈与税はかかりません。譲渡所得税や登録免許税、不動産取得税などの課税は考えられます。税金の準備や対策もしておいた方が安心です。
親族間の売買では、司法書士などの専門家のサポートを受けることをおすすめします。
司法書士に入ってもらえば、売買契約書の作成や代金決済のサポート、名義変更登記などを司法書士に任せることが可能です。トラブル対策という点でも、専門家に依頼した方が安心ではないでしょうか。
司法書士法人あやめ池事務所に依頼した場合の手順
ご相談
まずは、手続に必要となる費用の総額、手続方法、軽減措置の適用の有無などについてご案内させて頂きます。内容についてご納得されましたら正式にご依頼ください。
対象物件の権利関係、売買契約書等の作成
司法書士法人あやめ池事務所にて、売買の対象となる土地について、権利関係上の問題点がないか、調査を行います。また、事前のヒアリング内容に沿った売買契約書を作成致します。併せて、不動産取得税や登録免許税など、手続に付帯する税負担についても、予め調査確認をおこないます。お客様が行う作業はありません。
必要書類の準備
手続に必要な書類を収集します。ご要望があれば、司法書士法人あやめ池事務所で代理収集することも可能です。
買主様の住民票
買主様の認印
買主様の本人様確認書類の写し
売主様の印鑑証明書
売主様の実印
売主様の本人様確認書類の写し
売買対象物件の権利証
売買対象物件の課税明細書
代金決済に立会い~署名・押印~登記申請
代金決済時に、司法書士法人あやめ池事務所の担当司法書士が立ち会います。お金の流れ、登記書類に不備・不足がないかしっかり確認させて頂きます。代金決済が済みましたら、司法書士法人あやめ池事務所より、管轄法務局へ名義変更登記を申請させて頂きます。
個人間・親族間売買で名義変更登記を行う場合の費用について
司法書士法人あやめ池事務所にて、今回のケースのような売買による不動産名義変更登記を行う場合の費用は下記の通りです。
登記費用 176,160円(税込181,460円)
手数料 | 登録免許税等の実費 | |
---|---|---|
名義変更登記/売買 | 30,000円 | 120,000円 |
代金決済立会 | 8,000円 | |
売買契約書等作成 | 15,000円 | |
事前調査 | 1,000円 | |
登記情報・登記事項証明書
|
600円 | |
郵便代・通信費
|
1,560円 | |
小計 | 53,000円 (税込58,300円) |
123,160円 |
合計 |
176,160円(税込181,460円) |
※前提条件について
・義父名義の土地を1,000万円で売買する。不動産仲介業者は使わない。
・売買する土地の情報は以下の通りである
木津川市の土地150㎡(固定資産評価額 /800万円)
・義父と自分(義息子)の売買はどのように進めたらいいのか
・贈与税がかからなくても課税される税金はあるのか