【2026年7月リライト】
最新の制度を踏まえ、不動産取得税の軽減措置や納税までの流れなどを加筆・修正しました。

不動産取得税とは?購入時に一度だけかかる都道府県税

マイホームを購入して数か月後、「県税事務所から納税通知書が届いた」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

「固定資産税は聞いたことがあるけれど、不動産取得税って何?」
「登記費用とは別に税金がかかるの?」

このような疑問を持つ方は少なくありません。

不動産取得税とは、土地や建物を取得したときに一度だけ課税される都道府県税です。購入だけでなく、贈与や新築などで不動産を取得した場合も課税対象となります。

一方で、住宅には軽減措置が用意されており、条件を満たせば税額を大きく減らせるケースもあります。

税金 課税されるタイミング
不動産取得税 不動産を取得したとき(一度だけ)
固定資産税 不動産を所有している間、毎年課税
登録免許税 登記手続きをするときに納付

同じ不動産に関する税金でも、それぞれ目的や課税されるタイミングが異なります。

不動産取得税はいくら?計算方法をわかりやすく解説

不動産取得税は、次の計算式で求められます。

不動産取得税=課税標準額(固定資産税評価額)×税率

ここで注意したいのが、売買価格ではなく「固定資産税評価額」を基準に計算されるという点です。

例えば、3,000万円で購入した住宅でも、固定資産税評価額が2,000万円であれば、その2,000万円を基準に税額が計算されます。

そのため、「購入価格が高いから取得税も高い」とは限りません。

固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税の課税明細書や、市区町村で取得できる評価証明書で確認できます。

関連記事として、「固定資産税評価額の調べ方」の記事も参考にしてください。

不動産取得税がかからないケース

不動産を取得すると原則として不動産取得税が課税されます。

しかし、一定の場合には課税されないケースがあります。

もっとも代表的なのが、相続によって不動産を取得した場合です。

例えば、父親が亡くなり、自宅を長男が相続した場合、不動産取得税は課税されません。

これは、新たに不動産を取得したというよりも、亡くなった方の財産を引き継ぐという考え方によるものです。

一方で、生前に親から住宅や土地を無償でもらう「贈与」の場合は、不動産取得税の課税対象となります。

  • 相続によって不動産を取得した場合
  • 相続人への遺贈
  • 離婚による財産分与
  • 法人の合併・会社分割による取得
  • 一定金額未満の不動産取得

なお、登記をしていない場合でも、不動産を取得していれば課税対象になります。

住宅なら軽減措置を受けられる

住宅を取得した場合は、一定の要件を満たすことで、不動産取得税の軽減措置を受けられる場合があります。

そのため、「納税通知書が届いたけれど、思っていたより税金が安かった」というケースも珍しくありません。

ただし、住宅を取得したからといって、すべてのケースで軽減措置が適用されるわけではありません。自己が居住する住宅であることや床面積など、一定の要件を満たす必要があります。

新築住宅の場合

新築住宅では、自己が居住する住宅で、床面積など一定の要件を満たす場合に、課税標準額から1,200万円が控除されます。

その結果、不動産取得税を大きく抑えることができます。

中古住宅の場合

中古住宅でも軽減措置を利用できるケースがあります。

自己居住用であることに加え、新耐震基準に適合していることなどが主な要件です。

また、控除額は建築時期によって異なり、比較的新しい住宅ほど控除額が大きくなる傾向があります。

住宅用土地の場合

住宅用土地についても、住宅とあわせて一定の要件を満たすことで税額が軽減されます。

主な要件は、住宅の取得時期や土地との関係など一定の条件を満たすことです。

軽減される金額は、次のいずれか高い金額となります。

次のいずれか高い金額が税額から控除されます。

  • 45,000円
  • 土地1㎡当たりの固定資産税評価額 × 1/2 ×(住宅の床面積×2〔上限200㎡〕)×3%

※住宅の床面積の2倍まで(上限200㎡)の土地が対象となります。

例えば、住宅用地として取得した土地で一定の条件を満たしている場合は、この軽減措置により不動産取得税が大きく減額されることがあります。

計算方法は少し複雑ですが、住宅用の土地は軽減措置の対象となるケースが多いため、納税通知書が届いた際には適用されているか確認することをおすすめします。

いつ払う?納税までの流れ

不動産取得税は、不動産を購入した当日に支払う税金ではありません。

不動産取得税の納税までの流れ
不動産取得税は、不動産を取得した後、数か月経ってから納税通知書が届くのが一般的です。

一般的には、次のような流れで納付します。

  • 不動産を取得する
  • 所有権移転登記を行う
  • 都道府県が取得内容を確認する
  • 数か月後に納税通知書が届く
  • 納期限までに納付する

納税通知書が届く時期は自治体によって異なりますが、取得から4か月~1年程度で届くケースが多くあります。

「忘れた頃に届いた」という方も少なくありません。

軽減措置を受けるには申告が必要な場合も

軽減措置は、自動的に適用されるとは限りません。

自治体によっては、軽減措置を受けるための申告が必要な場合があります。

また、申告期限が設けられている自治体もあります。

申告を忘れてしまうと、本来受けられる軽減措置が適用されない可能性もあります。

住宅を取得した際は、納税通知書が届くまで何もしなくてよいと思わず、一度自治体のホームページなどで確認しておくと安心です。

よくある勘違い

登記しなければ不動産取得税はかからない?

いいえ。

不動産取得税は、登記の有無ではなく、不動産を取得した事実に対して課税されます。

親から無償でもらった場合も課税される?

はい。

親から住宅や土地を無償でもらう「贈与」の場合は、不動産取得税の課税対象になります。

ただし、自己が居住する住宅で、一定の条件を満たす場合には軽減措置を受けられることがあります。

相続なら不動産取得税はかかる?

原則として、相続による不動産の取得には不動産取得税は課税されません。

ただし、相続以外の取得方法では取扱いが異なる場合があります。

まとめ

不動産取得税は、不動産を取得したときに一度だけ課税される税金です。

しかし、住宅を取得した場合には、さまざまな軽減措置が用意されています。

新築住宅・中古住宅・住宅用土地では適用条件が異なるため、自分が対象になるか確認することが大切です。

また、自治体によっては軽減措置の申告が必要になることもあります。

納税通知書が届いてから慌てることのないよう、住宅を取得した際は早めに確認しておくことをおすすめします。

最後に、不動産を取得する際には、不動産取得税だけでなく、登録免許税や贈与税など他の税金が関係する場合もあります。税金全体を把握しておくことで、思わぬ負担を防ぐことができます。