AI相続シミュレーター|費用・手続内容・おすすめプランを診断 →

預貯金や株式も相続手続きが必要です

相続というと、不動産の名義変更をイメージする方が多いかもしれません。

しかし、実際には預貯金や株式、投資信託などの金融資産についても、それぞれ相続手続きが必要になります。

例えば、次のような財産がある場合は、金融機関ごとに手続きを進めなければなりません。

  • 普通預金・定期預金
  • ゆうちょ銀行の貯金
  • ネット銀行の口座
  • 株式・投資信託
  • NISA口座
  • 国債・社債などの有価証券

金融資産は、不動産のように一度の手続きですべてをまとめて名義変更できるわけではありません。

銀行や証券会社ごとに手続きが必要となるため、まずは、どこにどのような資産があるのかを確認することが大切です。

まずは金融資産がどこにあるか確認しましょう

金融資産の相続手続きは、亡くなった方が所有していた財産を把握するところから始まります。

通帳やキャッシュカードが見つかった銀行だけでなく、証券会社やネット銀行、ネット証券の口座がないかも確認しましょう。

例えば、次のようなものが手掛かりになります。

  • 通帳・キャッシュカード
  • 銀行や証券会社から届いた郵便物
  • 配当金や投資信託の分配金に関するお知らせ
  • スマートフォンに入っている銀行・証券会社のアプリ
  • メールに届いている取引報告書や口座のお知らせ
  • 確定申告書や預貯金の入出金履歴

最近では、紙の通帳を発行しないネット銀行や、取引報告書を電子交付にしているネット証券も増えています。

そのため、家の中を探しても通帳や郵便物が見つからず、スマートフォンやメールを確認して初めて口座の存在が分かることもあります。

例えば、亡くなった方の銀行口座に、毎年決まった時期に「配当金」という名目の入金がある場合には、どこかの証券会社で株式を保有していた可能性があります。

家族が知らなかった口座や株式が、相続手続きの途中で見つかることは珍しくありません。

株式や投資信託の探し方、証券会社が分からない場合の「ほふり(JASDEC)」を利用した調査については、次の記事で詳しく解説しています。

銀行口座はいつ凍結される?

亡くなった方の銀行口座について、特に多いご質問が「亡くなったら、すぐに口座が凍結されるのですか?」というものです。

人が亡くなっただけで、銀行口座が自動的に凍結されるわけではありません。

一般的には、銀行が口座名義人の死亡を知った時点で、口座が凍結されます。

銀行が死亡を知るきっかけとしては、相続人が銀行へ連絡した場合や、相続手続きについて窓口へ相談した場合などが考えられます。

銀行口座が凍結されると、原則として次のような取引ができなくなります。

  • ATMからの預金の引き出し
  • 窓口での払い戻し
  • 口座からの振込
  • 公共料金やクレジットカード代金などの自動引き落とし

「凍結される前に引き出しておいた方がよいのでは」と考える方もいますが、亡くなった後の預金は相続財産です。

相続人の一人が勝手に引き出して使ってしまうと、後の遺産分割協議でトラブルになる可能性があります。

口座凍結は不便に感じられますが、相続財産が無断で引き出されることを防ぐ役割もあります。

銀行口座が凍結されるタイミングや、凍結後の解除方法については、次の記事をご覧ください。

相続した預貯金を払い戻すには?

銀行口座が凍結された後は、相続人による預貯金の払い戻し手続きを行います。

誰が預金を受け取るのかによって、必要となる書類や手続き方法は異なります。

例えば、遺産分割協議によって特定の相続人が預金を受け取る場合には、一般的に次のような書類を提出します。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人全員で作成した遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 銀行所定の相続届・払戻請求書
  • 通帳やキャッシュカード

もっとも、遺言書がある場合や、法定相続分に応じて払い戻しを受ける場合などは、手続きが異なります。

また、法務局で交付を受けた法定相続情報一覧図を利用すると、金融機関ごとに大量の戸籍を提出する負担を減らせる場合があります。

必要書類は、銀行や相続方法によって異なるため、戸籍を集め始める前に手続きの条件を確認しておくことが大切です。

預貯金の払い戻し手続きの流れ、必要書類、手続きにかかる期間については、次の記事で詳しく解説しています。

銀行によって必要書類や手続きが異なることもあります

預貯金の相続手続きは、どの銀行でも大まかな流れは共通しています。

しかし、使用する相続届や必要書類、書類の提出方法などは銀行ごとに異なる場合があります。

例えば、次のような銀行では、それぞれ独自の相続手続きの案内や書式が用意されています。

  • ゆうちょ銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • みずほ銀行
  • りそな銀行
  • 関西みらい銀行
  • 南都銀行
  • 京都銀行

窓口へ行けば、その場ですべてが完了するとは限りません。

最初の連絡では、相続手続きの受付だけを行い、後日、相続届などの書類が郵送されてくる銀行もあります。

例えば、相続人全員の印鑑証明書を集めてから銀行へ行ったものの、銀行所定の相続届への押印も必要だったため、もう一度相続人全員から実印をもらわなければならなくなることがあります。

先に銀行へ連絡し、その銀行の手続き方法と必要書類を確認してから準備を始める方がスムーズです。

ゆうちょ銀行、メガバンク、関西圏の主要地方銀行については、次の記事で手続きの入口や必要書類をまとめています。

株式・投資信託の相続は銀行預金とは手続きが異なります

株式や投資信託を相続する場合は、銀行ではなく、亡くなった方が口座を開設していた証券会社で手続きを行います。

銀行預金のように、相続人へ現金を払い戻して終了するとは限りません。

一般的には、亡くなった方が保有していた株式や投資信託を、相続人名義の証券口座へ移管する手続きを行います。

そのため、株式や投資信託を相続する方が、その証券会社に口座を持っていない場合には、新しく証券口座を開設しなければならないことがあります。

例えば、亡くなった方がA証券で株式を保有しており、相続人がB証券の口座しか持っていない場合、まずA証券で相続人名義の口座を開設し、その口座へ株式を移すよう求められる場合があります。

また、相続税の申告が必要な場合には、次のような資料を証券会社から取得することもあります。

  • 残高証明書
  • 取引残高報告書
  • 顧客勘定元帳
  • 配当金や分配金に関する資料
  • 相続税評価額を確認するための資料

「どこの証券会社に口座があるのか分からない」「証券会社から届いた書類を処分してしまった」というケースも少なくありません。

そのような場合には、証券保管振替機構、いわゆる「ほふり(JASDEC)」を利用した調査が役立つことがあります。

株式・投資信託の基本的な相続手続きや、ほふりを利用した調査方法については、次の記事をご覧ください。

証券会社ごとに手続きや必要書類が異なります

証券会社の相続手続きも、基本的な流れは共通しています。

しかし、提出書類、相続人名義の口座開設の要否、株式の移管方法などは証券会社によって異なります。

主な証券会社としては、次のような会社があります。

  • 野村證券
  • 大和証券
  • SMBC日興証券
  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 松井証券

店舗型の証券会社であれば、担当支店や相続専用窓口へ連絡することになります。

一方、ネット証券では、電話やウェブサイトから相続手続きの書類を請求し、原則として郵送で手続きを進めることが多くなります。

証券会社の名前が分かったら、まず相続窓口へ連絡し、必要書類を取り寄せましょう。

主要な証券会社ごとの最初の連絡方法や手続きの流れについては、次の記事でまとめています。

金融資産の相続手続きはこのような流れで進みます

銀行や証券会社の相続手続きは、個別に進める必要があります。

もっとも、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成など、共通する準備も少なくありません。

一般的には、次のような流れで手続きを進めます。

亡くなった方のご逝去

銀行・証券会社を確認

預金残高・保有商品を確認

戸籍などの必要書類を収集

遺産分割協議・取得者を決定

各金融機関へ相続書類を提出

預金の払い戻し・株式等の移管

実際には、すべての財産が最初から判明しているとは限りません。

銀行へ残高証明書を請求した後に別の定期預金が見つかったり、預金の取引履歴から証券会社の存在が判明したりすることもあります。

そのため、財産調査と手続き準備は、ある程度並行して進めることになります。

また、不動産がある場合には、金融機関の手続きと並行して相続登記も進めなければなりません。

財産全体を確認したうえで、戸籍収集や遺産分割協議をまとめて進めることが、相続手続きを効率化するポイントです。

相続登記と金融機関の手続きをまとめて進めるとスムーズです

相続財産が預金だけ、あるいは不動産だけというケースは、それほど多くありません。

実際には、次のような手続きを同時に進めるケースが多く見られます。

  • 自宅や土地の相続登記
  • 銀行預金の払い戻し
  • 株式・投資信託の名義変更や移管
  • 法定相続情報一覧図の作成
  • 遺産分割協議書の作成

これらを完全に別々の手続きとして進めると、同じ戸籍を何度も確認したり、金融機関ごとに相続関係を一から説明したりすることになります。

一方で、最初に相続人や財産の全体像を整理しておけば、戸籍や遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などを複数の手続きで利用できます。

相続登記と預貯金・株式の手続きをまとめて準備することで、時間と手間を大きく減らせる場合があります。

例えば、自宅不動産と複数の銀行口座を相続する場合には、先に戸籍をまとめて収集し、遺産分割協議書に不動産と預金の取得者をまとめて記載する方法があります。

そのうえで、相続登記と銀行の払い戻し手続きを並行して進めれば、相続人全員に何度も署名や押印をお願いする負担も減らしやすくなります。

「銀行や証券会社が複数あって、どこから始めればよいか分からない」「相続登記と金融機関の手続きをまとめて進めたい」という場合には、早めに司法書士へご相談ください。

まとめ

預貯金や株式、投資信託などの金融資産は、金融機関ごとに相続手続きを行う必要があります。

まずは、亡くなった方の通帳、郵便物、メール、スマートフォンなどを確認し、どの銀行や証券会社に資産があるのかを調べましょう。

銀行口座が凍結された場合には、戸籍や遺産分割協議書などを準備して、預金の払い戻し手続きを行います。

株式や投資信託については、証券会社で相続人名義の口座へ移管するのが一般的です。

金融資産と不動産をまとめて相続する場合には、相続手続き全体を見渡して準備を進めることが重要です。

この記事で紹介した各記事では、口座凍結、預金の払い戻し、銀行別の手続き、株式・投資信託の相続、証券会社別の手続きについて詳しく解説しています。

ご自身の状況に近い記事もあわせて確認し、手続きを進めてください。