木津川市の土地について代襲相続での不動産名義変更の事例

私の祖父の相続についての相談です。

このたび祖父が亡くなり相続手続きをすることになりました。祖父の妻である祖母はすでに他界しています。

祖父には子供が3人います。私の父である長男と次男（叔父）、長女（叔母）です。私は長男の息子（長男）になります。私の父である長男もすでに亡くなっておりますが、叔父と叔母は存命です。

祖父の相続人は祖母、父、叔父、叔母になります。しかし祖母と父がすでに亡くなっているので、代襲相続で私と弟が相続人になりました。

相続人同士で話し、最終的に祖父の長男の長男である私がひとりですべて相続することになりました。ただ、遺産分割の話がまとまっても、ここからどのように手続きを進めたらいいのかが分かりません。

叔父と叔母も高齢なので手続きを急ぎたいと思っています。私はまず何をすべきでしょうか。注意すべき点などもあれば教えてください。

ご相談の要点

代襲相続による不動産名義変更で注意する点

おじいさまの遺産を長男の長男がすべて相続する場合、相続人全員で遺産分割協議をすることになります。するべきことは遺産分割協議のための準備です。

遺産分割協議をするための準備として、まずは戸籍を取得しておきましょう。おじいさまが生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得すれば、相続人の確認もできます。念のために漏れている相続人がいないか確認しておく必要があります。遺産分割協議のときに相続人が漏れていると無効になるため注意してください。

また、おじいさまが遺言書を残していないかも念のために確認しておきましょう。遺産についても漏れがないか確認しておく必要があります。

孫が代襲相続する場合の相続税について

孫が相続するとしても相続である以上、相続税の課税対象になる可能性があります。孫が代襲相続する場合に覚えておきたい相続税のポイントはふたつです。

ひとつは相続税には基礎控除があるという点です。相続税は相続があれば必ず課税されるわけではなく、基礎控除「3,000万円＋600万円×法定相続人の数」の範囲内であれば課税はありません。今回の相続ケースは孫が代襲相続するケースですが、相続税の基本的な部分は同じです。

代襲相続においては基礎控除の計算に使う相続人が増えるケースが少なくありません。

たとえば、おじいさまの遺産をお父さまと叔父さま、叔母さまが相続すると考えてみてください。相続人は3人です。では、お父さまに子供がふたりいて代襲相続が発生すると考えた場合、相続人の人数はどうなるでしょう。

お父さまのお子さんがふたりと叔父さま、叔母さまが相続人ですから、お父さまが相続するケースより相続人の人数が増えています。代襲相続により相続人が増えた結果、相続税の基礎控除に使う人数も変わってくるため算出される基礎控除額も増えるわけです。

ただ、孫が代襲相続する場合は相続税の二割加算に注意する必要があります。被相続人と相続人の関係によっては相続税への加算があるのです。

相続税の二割加算の対象になる人は次のような人です。国税庁のホームページから引用してみましょう。

(1) 被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人で、被相続人の配偶者、父母、子ではない人（例示：被相続人の兄弟姉妹や、おい、めいとして相続人となった人）
(2) 被相続人の養子として相続人となった人で、その被相続人の孫でもある人のうち、代襲相続人にはなっていない人

引用 :https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm

相続税の二割加算の対象にならないのは実子や配偶者、代襲相続人である孫などです。相続税の二割加算の対象になるのは兄弟姉妹（二親等血族）、甥や姪などになります。こういった制度があることも参考程度におさえておくといいでしょう。

叔父さんや叔母さんと遺産分割協議が必要

念のために戸籍で隠れた相続人がいないか確認したら、次は相続人で遺産分割協議をすることになります。遺産分割協議とは相続人で話し合いをして遺産分割を決めることです。

よく勘違いされますが、相続人全員が一か所に集まって話し合いをしなければならないわけではありません。相続人全員が遺産分割について合意できればいいので、電話や郵送など、連絡を取る手段を使っても問題ないのです。

今回の相続ケースでは、叔父さまや叔母さま、弟（長男の次男）といった相続人がすでに長男の長男がすべて相続することに同意しているというお話でした。すでに合意はあるかもしれませんが、戸籍で相続人を確認した後に遺産分割についてもう一度念押ししておいた方がいいでしょう。相続人が翻意しないとも限りません。

あらためて遺産分割について他相続人全員の合意があれば、遺産分割協議書を作成するという流れです。

放置するとより複雑になる！

相談では、相続人である叔父さまと叔母さまも高齢で相続手続きを急ぎたいということでした。相続手続きは、もちろん急いだほうがいいでしょう。

叔父さまや叔母さまが年齢を重ねると認知症などのリスクも高くなります。認知症やその他体の不調から相続手続きが困難になる可能性があるため、現時点でスムーズに手続きできそうなら、相続手続きは早めに済ませてしまった方が無難です。

叔父さまと叔母さまの年齢や健康リスクの問題もありますが、相続は放置すると複雑化するリスクもあるため、そういった意味でも早めに手続きした方がいいでしょう。

たとえばおじいさまの相続手続きをせずにご相談者が亡くなった場合を想像してみてください。あるいは、叔父さまや叔母さまが亡くなった場合を想像してもいいでしょう。

誰かが亡くなると、また相続が発生します。おじいさまの相続手続きをしないうちに第二、第三の相続が発生してしまうと、戸籍集めから手続きまで労力と時間がさらにかかってしまうのです。

相続は放置すると複雑になるという特徴があります。相続人の中に高齢の方がいる場合などは特に手続きを急いだ方がいいかもしれません。

遺産分割協議書を作成したら不動産の名義変更登記を進めてください。

司法書士法人あやめ池事務所からのご提案

叔父さまや叔母さまなど他相続人全員と遺産分割協議をすることで長男の長男、つまり被相続人の孫に遺産を集中させることが可能です。

まずすべきことは戸籍の取得で、戸籍を集めたら相続人を確認してください。念のためのおじいさまの遺産が他に隠れていないかも確認しておいた方がいいでしょう。相続人や遺産の確認が終わったら相続人で遺産分割協議をし、遺産分割協議書を作成するという流れです。遺産分割協議書の作成後に相続登記という流れで進めます。

相続手続が終わる前に叔父さまや叔母さまが亡くなると、その相続人にも手続に協力してもらう必要があるため注意してください。遺産分割協議と相続登記は早めに終わらせることをおすすめします。

不動産を代襲相続する場合の手続の進め方

権利関係調査（あやめ池事務所）

司法書士法人あやめ池事務所にて、相続の対象となる土地について、権利関係上の問題点がないか、調査を行います。また、登録免許税など、手続に付帯する税負担についても、予め調査確認をおこないます。お客様が行う作業はありません。すべての調査を、司法書士法人あやめ池事務所の担当スタッフが行います。

必要書類の準備（お客様）

手続に必要な書類を収集します。ご要望があれば、司法書士法人あやめ池事務所で代理収集することも可能です。

登記書類の作成～署名・押印～登記申請

事前調査～必要書類の準備が完了しましたら、司法書士法人あやめ池事務所にて、登記申請書、登記原因証明情報、委任状、上申書など、名義変更登記に必要な書類を作成します。

そのうえで、相続人様全員様に遺産分割協議書等の登記書類への署名・押印をして頂きます。署名・押印が済みましたら、司法書士法人あやめ池事務所より、管轄法務局へ名義変更登記を申請させて頂きます。

代襲相続で不動産の名義変更をする場合の費用

司法書士法人あやめ池事務所にて、今回のケースのような代襲相続での不動産名義変更登記を行う場合の費用は下記の通りです。
登記費用　102,100円程度

※前提条件について
対象物件の評価額800万円
戸籍等の相続関係書類は、司法書士法人あやめ池事務所で手配する。