※この記事は、最新の法令や実務の取扱いにあわせて、2026年6月に内容を見直し、全面的にリライトしました。

不動産の個人間売買とは?

不動産の個人間売買とは、不動産会社を介さず、売主と買主が直接売買契約を行う方法です。

例えば、次のようなケースが代表例です。

  • 親から子へ自宅を売却する
  • 兄弟姉妹間で不動産を売買する
  • 親族間で実家を売買する
  • 知人や近所の方との土地売買

近年では、「仲介手数料を節約したい」「信頼できる相手なので不動産会社を通さず手続きをしたい」という理由から、個人間売買を選択される方も増えています。

ただし、不動産会社を介さない分、契約や登記、税金などを自分たちで確認しなければならないため、慎重に手続きを進める必要があります。

個人間売買の最大のメリットは仲介手数料を節約できること

個人間売買の最大のメリットは、不動産会社に支払う仲介手数料が不要になることです。

通常、不動産会社を通じて不動産を売買した場合、売買価格に応じた仲介手数料が発生します。

例えば、1,000万円の不動産を売買する場合、売主・買主それぞれが約40万円(税込)の仲介手数料を負担するケースも珍しくありません。

つまり、売主・買主双方を合わせると、80万円近い費用が必要になることがあります。

個人間売買では、この仲介手数料が不要となるため、費用を大きく抑えることができます。

特に親族間売買や知人間売買では、この点が大きなメリットといえるでしょう。

不動産の個人間売買でよくある6つのトラブル

仲介手数料を節約できる一方で、個人間売買には注意しなければならない点もあります。

実際によくあるトラブルを見てみましょう。

1.売買条件について認識が違っていた

「固定資産税は誰が負担するのか」「引渡日はいつなのか」など、細かな条件を決めないまま話を進めてしまうと、後日トラブルになることがあります。

特に親族間売買では、「身内だから大丈夫」と考え、口約束だけで進めてしまうケースも少なくありません。

親族間だからこそ、後々のトラブルを防ぐために契約書を作成することが重要です。

2.住宅ローンを利用できなかった

個人間売買や親族間売買では、住宅ローンの利用が制限される金融機関もあります。

売買契約を締結した後になって、「ローンが利用できない」と判明すると、契約そのものが進まなくなる可能性があります。

住宅ローンを利用する予定がある場合には、事前に金融機関へ相談しておくことが大切です。

3.名義変更を後回しにしてしまった

「知人同士だから」「親族間だから」と考え、代金だけ支払って登記を後回しにしてしまうケースがあります。

しかし、名義変更をしないまま売主が亡くなってしまうと、相続人全員の協力が必要になり、手続きが非常に複雑になることがあります。

【事例】
数年後になって登記をしようとしたところ、売主が亡くなっており、相続人が多数存在していたため、手続きが進められなくなってしまったケースもあります。

4.想定していなかった税金が発生した

不動産の売買後には、さまざまな税金が発生する可能性があります。

  • 売主:譲渡所得税
  • 買主:不動産取得税
  • 買主:登録免許税

税金の知識がないまま売買を進めると、想定外の負担が発生することもあります。

5.建物の不具合をめぐってトラブルになった

中古住宅の個人間売買では、引渡し後に建物の不具合が見つかることがあります。

  • 雨漏りが発生した
  • シロアリ被害が見つかった
  • 給排水設備が故障していた
  • 外壁や屋根に大規模な修繕が必要だった

不動産会社を通した売買であれば、売主が把握している不具合について説明を受けたり、契約書で責任の範囲を明確にしたりするのが一般的です。

しかし、個人間売買では十分な説明がないまま取引が進むことも少なくありません。

その結果、「こんな不具合があるとは聞いていなかった」「引渡し後の修理費は誰が負担するのか」といったトラブルに発展することがあります。

建物を売買する場合には、既知の不具合を売買契約書に明記しておくことが重要です。

6.購入した土地に建物を建てられなかった

個人間売買では、不動産会社による重要事項説明がありません。

そのため、購入後に「建築基準法上の問題があり、建物を建てられない土地だった」というケースもあります。

土地を購入する場合には、建築可能かどうかを事前に確認しておくことが大切です。

個人間売買を成功させるためのポイント

個人間売買を安全に進めるためには、次の3点が重要です。

  • 売買契約書を必ず作成する
  • 住宅ローンの利用可否を事前に確認する
  • 代金決済と名義変更を同日に行う

特に、代金を支払った日に所有権移転登記まで完了させることが重要です。

手続きを後回しにすると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

司法書士に依頼すると安心できるケース

次のようなケースでは、司法書士へ相談されることをおすすめします。

  • 親族間で不動産を売買する場合
  • 高齢の方が売主または買主となる場合
  • 住宅ローンを利用する場合
  • 売買契約書を作成したい場合
  • 税金について不安がある場合

司法書士法人あやめ池事務所では、売買契約書の作成から代金決済のサポート、所有権移転登記までワンストップで対応しています。

司法書士が間に入ってお手伝いをすることで、手続内容やスケジュールが明確になり、安心して手続きを進めることができます。

「個人間売買をしたいけれど、何から始めればよいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

個人間売買は、仲介手数料を節約できるという大きなメリットがあります。

その一方で、契約内容や住宅ローン、税金、登記など、専門的な知識が必要になる場面も少なくありません。

事前準備をしっかり行い、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、安全かつスムーズに手続きを進めることができます。