不動産名義変更、亡くなってから相続vs生前に贈与、どっちが安い?簡単?

生前贈与の登記

不動産名義変更、亡くなってから相続vs生前に贈与、どっちが安い?簡単?

「不動産の名義変更を考えているが、自分が亡くなってから相続で名義変更した方がいいのか、それとも、生前贈与の形で名義変更をした方がいいのか、良く分からないので教えて欲しい」とのご相談が多くあります。

そこで、今回は「相続」と「生前贈与」の税負担、手順について比較検討してみました。

不動産名義変更 相続と贈与は全く違う

不動産の持ち主が変わったら名義変更をします。相続による不動産の取得も生前贈与による取得も不動産の持ち主(名義)が変わるという点では同じです。そのため、相続や生前贈与では不動産名義変更の登記をすることになります。ただ、同じ名義変更でも相続と生前贈与では全く異なります。それは「原因が違う」という事情があるからです。

相続の場合は被相続人が亡くなった結果として不動産の持ち主が変わります。対して生前贈与は「不動産をあげます」「それではもらます」というやり取りなどで持ち主が変わります。このように、相続と生前贈与では不動産名義変更にいたる原因の部分が違っているわけです。

不動産名義変更の登記をする際は申請書に「登記の原因」を書くというルールがあります。相続と贈与では名義変更の原因が異なるため、登記申請書の記載も違ってきます。

また、不動産名義変更の登記では「確かにその事実や法律行為があり、不動産の権利が移った」と証明する情報(登記原因証明情報)を添付しなければいけません。相続と生前贈与は原因が別物ですから、添付する情報も違ってきます。

さらに、相続と生前贈与では名義変更登記のときにかかる税金も違ってくるため注意が必要です。

相続と生前贈与、税金はどっちが安い?

相続と生前贈与の不動産名義変更登記の税金を比較した場合、基本的に相続による不動産名義変更の方が税金は安くなります。

不動産名義変更の際は登録免許税という税金を払わなければいけません。

相続と生前贈与では登録免許税の税率が異なります。登録免許税は固定資産税評価額を使って算出します。

相続による不動産名義変更の登録免許税 1000分の4

生前贈与の登録免許税の税率 1000分の20

固定資産税評価額1,000万円の不動産を相続により名義変更する場合は登録免許税が4万円になります。対して生前贈与の登録免許税は20万円です。固定資産税評価額が2,000万円だと相続による不動産名義変更は8万円になりますが、生前贈与だと40万円と相続よりかなり高額になってしまいます。

登録免許税は基本的な税率で比較すると「相続」の方がお安くなります。
ただ、登録免許税が安いから相続の方が税金面で有利というわけでもありません。

相続には相続税の問題もあります。

相続税の課税割合は国税庁「令和元年分の相続税の申告状況について」によると6.8%という結果です。すべての相続ケースで相続税が課税されるわけではありません。しかし、仮に課税されるケースでは被相続人1人あたり1,000万円の税額が平均になっています。単純に登録免許税だけ比較すれば相続の方が安くなりますが、相続税も含めるとこの限りではありません。

贈与税には軽減税率がある。

贈与の場合には、贈与税が発生する可能性があります。贈与税も高額となることが多いですが、贈与税には、たくさんの軽減措置が準備されています。

贈与税の節税や軽減措置については別の記事にまとめました。ぜひ参考にしてください。
登録免許税だけでなく、相続と生前贈与それぞれの相続税と贈与税なども考慮して比較することが重要です。

 

相続、生前贈与、手続はどっちが簡単??

相続と生前贈与の不動産名義変更の手続きを比較すると、圧倒的に生前贈与の方が簡単です。これは、相続と生前贈与それぞれの手続きの流れを簡単に確認していただければ分かるはずです。

・相続による不動産名義変更の流れ
1.不動産や相続人の調査する
2.不動産名義変更に必要な書類収集、作成、遺産分割協議など
3.不動産名義変更の申請書と添付書類を法務局に提出する

・生前贈与による不動産名義変更の流れ
1.不動産や税金などを確認して生前贈与の計画を立てる
2.不動産名義変更に必要な書類収集、作成
3.不動産名義変更の申請書と添付書類を法務局に提出する

相続と生前贈与を比較すると、生前贈与には相続人の調査や遺産分割協議などが含まれていないことが分かります。

生前贈与は贈る側と受け取る側が「あげます」「受け取ります」で協力して進められますが、相続に関してはこの限りではありません。

戸籍から相続人を調査して相続人で遺産を分けようとしても、相続人の中には協力的でない人もいるかもしれません。また、相続人が多くなかなか話し合いがまとまらない場合や、遺産を巡ってトラブルになる場合なども考えられます。

贈与の方が贈る側と受け取る側が計画を立てた上で協力的に進められるため、手続きが難航する可能性も低いはずです。

相続や生前贈与のときに自分で不動産名義変更をするときの手順については別記事にまとめました。別記事も参考にして、手続き面についてもよく比較しておくことが重要です。

 

相続での不動産名義変更、こんな方にオススメ

相続による不動産名義変更は次のような人たちにオススメです。

・子供や配偶者など将来の相続人の関係が良好で揉める可能性が低い

・遺産分割について家族や親族の間で「どうしたいか」がまとまっている
・相続人が1人あるいは少ないので遺産分割で揉める心配がない
・相続税がかからないので登録免許税の負担だけで済む

相続による不動産名義変更のポイントは生前贈与より登録免許税の負担は軽くなります。ただ、不動産名義変更の手続き部分が煩雑なのが相続の特徴です。

戸籍集めや相続人の特定、遺産分割などをスムーズかつミスなく進めるためにも、司法書士など専門家への相談を考えてみてはいかがでしょう。

贈与での不動産名義変更、こんな方にオススメ

生前贈与による不動産名義変更は次のような人たちにオススメです。

・子供や配偶者など将来の相続人が不仲で揉める可能性がある

・相続人の中に行方不明の人がいて相続時に困りそうである
・相続税がかかる
・不動産を自分の望む人に継いでもらいたい

生前贈与の不動産名義変更の手続きは相続人の特定や遺産分割などがない分、相続よりもスムーズに進められる可能性があります。ただ、登録免許税が相続より高くなり、贈与税にも注意が必要です。

生前贈与のポイントは事前の計画になります。生前贈与の計画を立てる段階で専門家を入れ、手続きや税金についてアドバイスを受けるとスムーズに進められるはずです。

 

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