登記費用が安くなる!住宅用家屋証明書について
一定の要件を満たす住宅については、市町村から「住宅用家屋証明書」という書類の交付を受けることができます。
この住宅用家屋証明書があると、住宅に関する登記手続時に必要な登録免許税について、軽減税率が適用されますので、登記費用を安く抑えることが出来るのです。
今回は、住宅用家屋証明書について解説させて頂きます。
どれくらい安くなるの??
まずは、住宅用家屋証明書を取得することでどれほどの効果があるのか見てみましょう!
下記の事例で、住宅用家屋証明書を「取得する場合」と「取得しない場合」で登記費用のうち登録免許税部分を比較してみます。
【事例】
築10年の中古マンションを2500万円で購入
専有部分の面積は80m2
住宅ローンを2500万円利用
敷地持分の固定資産評価額450万円
専有部分の固定資産評価額600万円
住宅用家屋証明書を「取得しない」場合
登録免許税→→→287,500円
住宅用家屋証明書を「取得する」場合
登録免許税→→→110,500円
なんと177,000円も登記費用が安くなりました!!
※所有権移転登記および抵当権設定登記に係る登録免許税の合計金額です。
たった一枚の証明書を取得するだけで、こんなにも登記費用を節約できるんです!
登記費用が安くなる理由
こんなにも登記費用が安くなる理由は次のとおりです。
住宅用家屋証明書を取得すると、登録免許税の税率が下がるんです!
専有部分の所有権移転登記の登録免許税率
↓↓
原則2%のところが、0.3%に下がる
住宅ローン利用に伴う抵当権設定登記の登録免許税率
↓↓
原則0.4%のところが、0.1%に下がる
要するに、専有部分の名義変更に必要な税金が、約7分の1になり、抵当権設定登記に必要な税金が4分の1になるのです。
具体的に今回の事例に当てはめると・・・
具体的に今回の事例では、専有部分の名義変更(所有権移転登記)に必要な税金は、原則120,000円ですが、住宅用家屋証明書を取得することにより、18,000円となりました。
また抵当権設定登記に必要な税金は、原則100,000円ですが、住宅用家屋証明書を取得することにより、25,000円となりました。
住宅用家屋証明書を取得するには??条件は??
取得方法について
住宅用家屋証明書は、一定の条件を満たせば、購入する物件の市町村役場で取得できます。必要書類を持っていき、申請すれば、取得できます。
通常は、登記手続を担当する司法書士・土地家屋調査士が代行してくれますので、お任せしましょう!
取得の条件について
ここが最大のpointです!こんなにお得な住宅用家屋証明書ですので、是非とも取得したいですね。取得できるのかどうかを決める条件は、次の通りです。なお、次の条件をすべて満たしていないとダメです!
住宅用家屋証明書の取得要件
・住宅であること
・昭和57年1月1日以降に建築された家屋であること
・建物の登記上の面積が、50㎡以上であること
・自分の住宅として使用すること
※住宅用家屋証明書の取得要件を簡易にまとめています。詳細な取得要件については、物件所在地の市区町村役場のHP等をご参照下さい。
まとめ
一般的な住宅を購入される場合には、ほとんどの場合で住宅用家屋証明書を取得できます!
条件に当てはまる方は、登記手続を依頼する際に、「住宅用家屋証明書の取得をお願いします!」と伝えると確実です。
あやめ池司法書士事務所では、住宅用家屋証明書の取得をはじめ、各種不動産登記手続を多数取扱っております!
登記手続の依頼先でお悩みの際には、お気軽にご相談ください!