【要チェック】個人間売買で住宅ローンを利用できるのか?
親族間やご近所さんとの間で、不動産の個人間売買を行うにあたり、住宅ローンを利用できるのか?という質問を多く頂きます。
今回は、不動産の個人間売買と住宅ローンの利用について、解説させて頂きます。
目次
個人間売買では住宅ローンの利用が難しいのが現実・・・
個人間売買で住宅やマンションなどの不動産を購入する際に、ご自身で銀行に出向き、住宅ローンの申込をしたとしても、ほとんどの場合、住宅ローンの利用を断られてしまうのが現実です。
なぜかというと、ほとんどの銀行で、住宅ローン審査の必須書類として「重要事項説書」の提出が求められているからです。
重要事項説明書とは??
重要事項説明書とは「不動産屋さん」が、不動産売買を仲介する場合に作成が義務付けられている書類です。
物件に関する詳細な情報・売買契約のルールなどが記載されます。主な記載事項は次の通りです。
登記事項証明書の記載事項について
現状の不動産の名義人や権利関係などを記載します。
法令に基づく制限について
土地計画法による区域の区分、建築基準法に基づく用途地域名や建ぺい率などを記載します。
私道負担・上下水道・電気・ガスの設備について
売買代金や手付金について
契約解除・損害賠償について
万が一に備えて、契約解除のルールを記載します。
不動産業者が作成した重要事項説明書が必要!
不動産流通経営協会の公開資料のとおり、重要事項説明書に記載する事項は、基本的な情報ばかりですので、素人でも穴埋めをしていけば作成することができるように感じます。
しかし、住宅ローンの審査において、金融機関がもとめているのは、不動産業者が作成した重要事項説明書です。
金融機関が不動産業者作成の重要事項説明書を求める理由
・不動産業者を契約に関与させることで、契約内容の瑕疵リスクを低下させる。
・不動産業者に物件を調査させることで、正確な物件状態を把握できる。
・不動産業者を契約に関与させることで、不正な住宅ローン利用を阻止する。
要するに、金融機関は個人間売買を装った不正な住宅ローン利用を警戒しているのです。
たとえば、担保価値のほとんどないボロボロの物件について、書類を偽造し、高額な住宅ローン融資を引き出す。そんな事例を警戒しているのです。
ですから個人間売買の当事者が作成した重要事項説明書では、ローン審査において意味がないのです。
あくまでも、売買契約の第三者である、不動産業者が作成した重要事項説明書が住宅ローン審査において必要になります。
つまり、純粋な個人間売買では、住宅ローンの利用は難しいのが現実なのです。
不動産屋さんに重要事項説明書を作成してもらえばいい!
純粋な個人間売買では、住宅ローンの利用は難しいです。なぜなら「不動産屋さんが作成した重要事項説明書」が必要だから・・・
それならば、不動産屋さんに重要事項説明書の作成をお願いすればよいのです!
個人間売買ですので、売主も買主も売買代金も決まっています。不動産屋さんの仕事は、重要事項説明書の作成だけといっても過言ではありません。
ですので、低価格で重要事項説明書を作成してくれる不動産屋さんを探せば、住宅ローンを利用できて、なおかつ、低価格で不動産売買を行うことができます。
つまり、個人間売買の最大のメリットである、仲介手数料を節約したまま、住宅ローンを利用できるのです。
大手の不動産屋さんは対応してくれないのか??
大手の不動産屋さんに電話して「重要事項説明書を作成してください」と伝えると、こころよく応じてくれます。
ただし、きっちり正規料金の仲介手数料を請求されまると思います。
これでは、個人間売買のメリットが消えてしまいます。
小さな不動産屋さんは、特殊な取引に対応できるのか??
逆に、地元密着の小さな不動産屋さんの場合、仲介手数料のお値引についても、ある程度柔軟に対応してくれると思います。
ただし、業者さんによっては、「個人間売買で費用を節約したい!」というこちらの意図を理解していただけない場合や、そもそも特殊な取引に対応できないといったケースも考えられますので、注意が必要です。
個人間売買で住宅ローンを利用するには、不動産業者の選定が重要!
個人間売買で住宅ローンを利用するためには、不動産業者の選定が最も重要です。こちらの意図を組み「重要事項説明書の作成」について「低価格」で対応してくれる不動産業者さんを探すことができれば、個人間売買のメリットを残したまま住宅ローンの利用が可能となります。
不動産の個人間売買なら、司法書士法人あやめ池事務所
住宅ローンの利用の有無にかかわらず、不動産の個人間売買に関する登記手続なら司法書士法人あやめ池事務所にお任せください。
案件に応じて、手続内容・登記費用のご提案をさせて頂きます。
銀行や不動産業者の選定でお悩みの際にも、ご相談やアドバイスが可能な場合がございます。
不明点や疑問点をそのままご質問ください。