【Q&A】相続放棄でよくある質問10選/司法書士が解説!
相続放棄 を検討している方から、私たち司法書士法人あやめ池事務所には、日々多くのご質問が寄せられます。相続放棄 は、一見シンプルなようでいて、実は多くの落とし穴があります。この記事では、実際によくいただくご質問を10項目にまとめ、それぞれ 司法書士 の立場から丁寧に回答しています。これから 相続放棄 を考えている方、すでに手続中の方にもお役立ていただける内容です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
Q1. 相続放棄 とは何ですか?
相続放棄 とは、亡くなった方(被相続人)の財産や借金などの一切を「相続しません」と 家庭裁判所 に申し出ることで、最初から相続人ではなかったことにする手続きです。
財産がプラスよりもマイナス(借金や保証債務)が多い場合などに活用されます。単なる「放棄します」との意思表示では足りず、必ず 家庭裁判所 での手続きが必要です。
兄弟の間で、「兄が全部相続して、自分は何も相続しない」という状況は、遺産の放棄であり、「 相続放棄 」ではありません。
Q2. 相続放棄 はいつまでにしないといけませんか?
民法では「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」と定められています。通常は、被相続人の死亡を知った日が起算点となります。
ただし、相続財産の内容がわからないまま過ごしていた場合や、後になって借金が発覚した場合など、例外的に起算点が遅れることもあります。正確な判断には専門家への相談が有効です。
Q3. 期限を過ぎても 相続放棄 はできますか?
原則として期限内に手続きしないと、相続したものとみなされますが、例外も存在します。
- 相続財産 が全く無いと思っていたが、後から借金が判明した
- 家庭裁判所 に相談していたが正式な申述が遅れた
- 未成年者 や 成年後見人 が関与していた
3月の期限を過ぎた場合、家庭裁判所 への申述書に「正当な理由」がある旨を記載する必要があり、審査は厳しめです。また、状況証拠となる督促状や事情説明書などの書類が必要となる場合もあります。状況によっては弁護士や司法書士のサポートが不可欠です。
Q4. 相続放棄 をすると何ができなくなりますか?
相続放棄 をすると、相続人としての権利も義務もすべて失います。
- 預貯金や不動産の名義変更
- 死亡保険金の受取り(契約内容による)
- 形見分けとしての動産の持ち出し
一方で、被相続人の 借金 や 保証債務 も一切相続しません。相続放棄後に遺品整理などを行うと「相続したとみなされる」可能性があるため、慎重な対応が必要です。
死亡保険金の受取は、契約内容により、受け取りの可否が異なります。ご自身で判断出来ない場合には、保険会社や司法書士、弁護士等の専門家にご相談されることをオススメします。
Q5. 他の相続人に内緒で 相続放棄 できますか?
手続き自体は単独でできますが、放棄した結果、次順位の相続人(兄弟姉妹など)に影響が及ぶため、後でトラブルになる可能性があります。
裁判所から次の相続人に連絡が行くこともあるため、関係者には事前に説明するのが望ましいです。
Q6. 連帯保証人 の借金も相続されますか?
はい、相続の対象となります。被相続人が第三者の借金の連帯保証人だった場合、その連帯保証債務も相続されます。
金額が大きく、今後の返済負担が見込まれる場合は、 相続放棄 の検討が必要です。 保証契約書 などを確認しておくと安心です。
Q7. 相続放棄 後の書類は何に使えますか?
裁判所が発行する「 相続放棄 申述受理通知書 」や「 相続放棄 申述受理証明書 」は、金融機関や債権者への証明書類として利用します。
- 貸金業者(借金の督促を止めるため)
- 市役所(国民健康保険料の請求を止めるため)
- 不動産管理会社(名義変更拒否のため)
手続後も一定期間は保管しておくのがベストです。
Q8. 未成年の子どもの 相続放棄 はどうするの?
未成年者が相続人である場合、通常は親権者が代理して手続きします。ただし、親も同じ相続人である場合は「 特別代理人 」の選任が必要となる場合もあります。
特別代理人 は家庭裁判所に申し立てて選んでもらいます。選任申立書、親族関係図、戸籍など多数の書類が必要となります。
Q9. 相続放棄 したことは戸籍に載りますか?
戸籍には記載されません。したがって、他人が戸籍謄本を見ても、 相続放棄 した事実はわかりません。
ただし、相続関係説明図や登記の際に「 相続放棄 申述受理通知書 」の提出を求められることがあるため、必要に応じて提出の準備が求められます。
Q10. 司法書士 に依頼すると何をしてもらえるの?
司法書士 に依頼すれば、 相続放棄 に必要な書類一式の作成から、 家庭裁判所 への提出、 特別代理人 選任申立てなど一連の手続きをすべて代行してもらえます。
- 書類不備による不受理を防げる
- 事情に応じた説明文の作成を代行
- 手続全体のスケジュール管理ができる
ご自身で対応する場合のリスクや負担を軽減できるため、特に期限が迫っている場合や複雑な相続関係のある方には専門家への相談が推奨されます。
チェックポイント
相続放棄 は、「手続きをすれば終わり」という単純なものではありません。状況に応じて判断が分かれる場面も多く、自己判断で進めてしまうと、後にトラブルとなる可能性もあります。
特に、 保証債務 や 遺品整理 との関係、 期限の起算点 などは慎重な対応が必要です。司法書士法人あやめ池事務所では、お一人お一人の事情に寄り添ったサポートを心がけております。相続放棄を少しでも検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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