相続放棄 ができなくなるNG行動とは!? 医療費 の支払いは単純承認??
相続放棄 を考えている方が、うっかりある行動をとったことで「 相続放棄 が認められなくなる」ケースが後を絶ちません。特に注意が必要なのが「被相続人の 医療費 を支払ってしまう」こと。この記事では、相続放棄が認められなくなる具体的な行動や注意点、そして万が一支払ってしまった場合の対処方法について、司法書士がわかりやすく解説します。
目次
相続放棄 とは?──基本をおさらい
相続放棄 とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産や負債を一切受け継がないとする 家庭裁判所 への正式な手続きです。
原則として「相続の開始を知った日から3か月以内」に手続を行う必要があり、この期間を「 熟慮期間 」と呼びます。
しかし、この期間中にある行動を取ってしまうと「放棄できなくなる」リスクがあるのです。
注意! 相続放棄 が認められなくなる行動とは
以下のような行動は、家庭裁判所から「相続を承認した( 単純承認 )」と見なされ、 相続放棄 ができなくなるおそれがあります。
- 遺品を勝手に処分した
- 被相続人名義の預金を引き出して使った
- 葬儀費用を全額立て替えた
- 医療費 や入院費を支払ってしまった
医療費の立替 は「相続放棄NG行動」なのか?
医療費 の支払いは、日常生活の延長でついやってしまう方が多く、注意が必要です。
特に、「本人の通帳から 医療費 を支払った」「遺族が自腹で 医療費 を支払った」場合は、ケースによっては 単純承認 とみなされることがあります。
チェックポイント
被相続人 の生前の 医療費 は、あくまで「債務」です。 相続放棄 を検討しているなら、自己判断で支払わず、まずは専門家に相談してください。
どうしても支払いが必要な場合は、領収書を保管し、支払いの目的や経緯を明確にしておくことが重要です。
相続放棄 を成立させるための注意点
相続放棄 が成立するためには、「相続財産に手をつけないこと」が基本です。
どの範囲までがセーフで、どこからがアウトなのかは、非常に判断が難しい場合もあります。
- 遺品整理をする前に司法書士へ相談を
- 公共料金・家賃・医療費 の支払いは要注意
- 銀行口座や不動産には絶対に手をつけない
チェックポイント
「ちょっとした親切心で動いたつもりが、結果的に 相続放棄 ができなくなる」というケースも多々あります。
心当たりがある場合や 相続放棄 を検討している時点で、必ず一度、専門家に相談してください。早期のご相談が、トラブルを未然に防ぐ鍵です。
医療費 を立て替えてしまった…そんなときは?
万が一、すでに 医療費 を支払ってしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。以下のような事情があれば、相続放棄が認められる可能性もあります。
- 緊急の支払いでやむを得なかった
- 被相続人の通帳からの支出であった
- 相続財産の処分目的ではなかったことを証明できる
チェックポイント
立替えた金額や支払いの経緯について記録を残し、できれば支払前に 司法書士 へご相談ください。
すでに支払った場合でも、書面で説明を添えて 相続放棄申述書 に事情を明記することで、家庭裁判所が事情を酌んでくれる可能性もあります。
相続放棄 を確実に進めるために
相続放棄 は、正しい手順と知識があってこそ成立します。
「知らずにやったこと」が大きな落とし穴にならないよう、慎重に行動しましょう。
特に、医療費の支払いは判断が難しいため、相続放棄を検討している段階から 司法書士 など専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では 相続放棄 の書類作成から家庭裁判所への申立てまで、丁寧にサポートいたします。ご不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。
司法書士からひとこと
