この記事は2026年6月に内容を全面的に見直し、最新情報に基づいて更新しています。
目次
不動産登記は自分でできる?
住宅を購入したり、新築したりすると、不動産登記が必要になります。
「司法書士に依頼しないとダメなの?」
「自分で登記をすれば費用を節約できるのでは?」
このように考える方も少なくありません。
結論からいうと、住宅ローンを利用しない場合には、自分で登記できるケースがあります。
一方で、住宅ローンを利用する場合は、金融機関との関係上、自分で登記を行うことは非常に難しいケースがほとんどです。
| ケース | 自分でできる? | 難易度 |
|---|---|---|
| 新築住宅(ローンなし) | 〇 | ★★★☆☆ |
| 新築住宅(ローンあり) | △ | ★★★★★ |
| 中古住宅購入(ローンなし) | 〇 | ★★★★☆ |
| 中古住宅購入(ローンあり) | × | ★★★★★ |
新築住宅を建てる場合【ローンなし】
必要な登記
- 建物表題登記
- 所有権保存登記
結論
新築住宅を現金で建てる場合は、自分で登記を行うことができます。
建物表題登記について
建物表題登記とは、建物の所在地や構造、床面積などを法務局に登録する手続です。
この登記は所有者が単独で申請できますので、自分で手続を行うことが可能です。
ただし、ハウスメーカーや工務店から、建物引渡証明書、印鑑証明書、建築確認関係書類などを受け取る必要があります。
そのため、事前に「建物表題登記は自分で行います」と伝えておくとスムーズです。
また、建物表題登記では図面作成が必要になるため、登記の中では比較的難易度が高い手続といえます。
所有権保存登記について
所有権保存登記とは、新築した建物の所有者を登記簿に登録する手続です。
こちらも所有者単独で申請できますので、自分で申請することが可能です。
ただし、登録免許税には住宅用家屋の軽減措置が適用されるケースが多いため、利用できる軽減措置がないか事前に確認することが大切です。
よくある失敗例
例えば、建物図面の作成ミスにより法務局から補正指示を受け、何度も法務局へ足を運ぶことになったというケースは珍しくありません。
また、軽減措置を利用し忘れて、本来より多くの登録免許税を支払ってしまうケースもあります。
新築住宅を建てる場合【ローンあり】
必要な登記
- 建物表題登記
- 所有権保存登記
- 抵当権設定登記
結論
建物表題登記は自分でできる可能性がありますが、所有権保存登記と抵当権設定登記を自分で行うことは非常に難しいです。
なぜ難しいのか?
住宅ローンを利用する場合、金融機関は融資した建物に抵当権を設定します。
抵当権設定登記は、金融機関と購入者との共同申請となります。
しかし、金融機関が「登記を自分で行うこと」に同意してくれるケースはほとんどありません。
なぜなら、登記手続に不備があれば、金融機関が担保を取得できなくなるリスクがあるからです。
また、所有権保存登記と抵当権設定登記は通常まとめて申請します。
そのため、どちらかに不備があると、もう一方の登記にも影響する可能性があります。
よくあるケース
実際には、金融機関やハウスメーカーから司法書士を紹介され、その司法書士が登記を担当するケースが一般的です。
建物表題登記だけ自分で行うことは可能?
建物表題登記だけを自分で行い、その後の所有権保存登記や抵当権設定登記を司法書士へ依頼するケースは少なくありません。
費用を少しでも抑えたい場合は、この方法を検討してもよいでしょう。
司法書士は自分で選べる?
新築住宅で住宅ローンを利用する場合、金融機関やハウスメーカーから司法書士を紹介されることがあります。
この場合でも、必ずしも紹介された司法書士に依頼しなければならないとは限りません。
ただし、抵当権設定登記が関係するため、金融機関の承諾が必要になるケースがあります。
そのため、自分で司法書士を選びたい場合は、できるだけ早い段階で金融機関やハウスメーカーに確認しておくことが大切です。
司法書士の報酬や対応内容は事務所ごとに異なります。
「紹介されたからそのまま依頼する」のではなく、費用やサービス内容を確認したうえで、納得できる依頼先を選ぶとよいでしょう。
なお、金融機関によっては指定司法書士制度を採用しており、依頼先を自由に選べないケースもあります。
中古住宅を購入する場合【ローンなし】
必要な登記
- 売買による所有権移転登記
結論
現金で中古住宅を購入する場合は、自分で登記を行うことも可能です。
ただし、売主との連携が不可欠です。
なぜ連携が必要なのか?
売買による所有権移転登記は、売主と買主の共同申請だからです。
売主の協力が得られれば、自分で登記申請を行うことは可能です。
しかし、不動産会社が仲介している場合には、取引の安全性の観点から司法書士への依頼を勧められることが多いでしょう。
注意点
売主側に住所変更登記や氏名変更登記が必要なケースでは、それらを先に済ませなければなりません。
また、売主に住宅ローンが残っている場合には、抵当権抹消登記も必要になります。
抵当権が残ったまま売買を進めることは非常に危険です。
よくある失敗例
個人間売買では、必要書類の確認不足により決済当日に登記できなかったというケースもあります。
例えば、売主の登記上の住所と現在の住所が異なっていたため、当日に追加書類が必要になり、決済が延期になってしまったという事例もあります。
高額な取引である以上、慎重に進める必要があります。
中古住宅を購入する場合【ローンあり】
必要な登記
- 所有権移転登記
- 抵当権設定登記
結論
住宅ローンを利用する場合、自分で登記を行うことは難しいと考えてよいでしょう。
なぜ難しいのか?
抵当権設定登記は、購入者と金融機関との共同申請になります。
金融機関は、融資した資金を確実に回収できるよう、抵当権設定登記手続を自社指定の司法書士に依頼することを求めるのが一般的です。
また、所有権移転登記と抵当権設定登記は通常同時に申請します。
どちらか一方の登記に不備があれば、決済そのものが成立しない可能性もあります。
司法書士は自分で選べる?
金融機関や不動産会社から司法書士を紹介されることが多いですが、必ずしもその司法書士へ依頼しなければならないわけではありません。
費用やサービス内容を比較し、自分で依頼先を選ぶことも可能です。
ただし、金融機関によっては指定司法書士制度を採用していることもありますので、早めに金融機関へ確認をしておくと安心です。
司法書士の報酬は事務所ごとに異なりますので、複数の事務所から見積りを取るのも一つの方法です。
よくあるケース
中古住宅の売買では、売主・買主・不動産会社・金融機関が同じ日に集まり、売買代金の支払いと登記申請を行う「決済」が行われます。
決済日に登記申請ができないと、売買そのものが延期になる可能性があります。
そのため、金融機関や不動産会社から司法書士への依頼を求められるケースがほとんどです。
まとめ
不動産登記を自分で行えるかどうかの大きな分かれ目は、住宅ローンを利用するかどうかです。
住宅ローンを利用しない場合は、自分で登記できるケースも少なくありません。
一方で、住宅ローンを利用する場合は、金融機関との調整や抵当権設定登記が必要になるため、専門家へ依頼するのが一般的です。
依頼する司法書士は、基本的に自由に選択が可能です。対応力や費用を比較検討したうえで、依頼する司法書士事務所を選択しましょう。
費用だけでなく、手間やリスクも踏まえたうえで、自分で手続を行うか、司法書士へ依頼するかを検討することが大切です。
「自分で登記できるか分からない」「どこまで自分で進められるのか知りたい」という場合は、事前に司法書士へ相談しておくと安心でしょう。



