【司法書士が解説】個人間売買で古家の取引を行う場合の手順

売買の登記

【司法書士が解説】個人間売買で古家の取引を行う場合の手順

古家について、不動産業者を利用せず、個人間で売買~登記手続をする際にの手順や注意点について、不動産登記の専門家である司法書士の立場から、ご案内をさせていただきます。

対象物件の権利関係調査

個人間売買の手続を進めるうえで、まず最初にすべきことは、対象物件の権利関係調査です。
物件の外見からは分からない権利関係について、登記事項証明書、地図、図面などの書類を収集し、確認することで、正確な権利関係を把握することができます。

登記事項証明書などの資料は、法務局で取得することが可能です。

物件が差押されていたり、抵当権の登記が残っていたりすると大変です!また、前面道路が他人の所有になっていたり、地役権が設定されていたり、権利関係が複雑な物件もあります。

売買を行う前に、しっかりと権利関係の調査を行うことが大切です。

売買契約書の作成

権利関係の調査を行い、問題がなければ売買契約書の作成に進みます。
売主さん、買主さんの間で、売買価格、引渡時期、付帯物の範囲などについて合意した内容を書面にします。

インターネット等で不動産売買契約書の雛形を取得することができますので、それらをベースに必要部分だけ加筆、修正して利用してもよいでしょう。

売主さん、買主さんの間で最低限、合意をしておいた方がよい事項は次の通りです。

売買金額、引渡日について

当然必要です。曖昧にせず、きっちりと書面で残さないと、以後のトラブルのもとになります。知人や友人同士であっても、きっちりと書面にしましょう。

固定資産税・都市計画税等について

固定資産税・都市計画税等について、日割清算を行うのかどうか、取り決めておきましょう。

日割清算を行わないのであれば、その旨を記載しましょう。

日割清算を行う場合、一般的には代金決済日の前日までの分を売主さんが負担し、代金決済日以降の分を買主さんが負担します。
固定資産税・都市計画税等の起算日は、地域によって差がありますが、1月1日を起算日とする場合と4月1日を起算日とする場合のいずれかになります。

契約不適合責任について

物件の引渡し後に発見された物件の不具合等について売主さんが負う責任を、「契約不適合責任」といいます。

「古い物件だし、どこか壊れていても文句はなしだよ」と合意が出来ているのであれば、売買契約書に次の文言をいれましょう。

売主は、本物件を現状有姿のまま買主に売り渡すものであり、売主は、本物件に隠れた瑕疵が発見された場合でも、買主に対して契約不適合責任を負わないものとする。

その他、売主さん・買主さんで決めたこと

売買契約書に記入する事項に制限はありません。当事者間で取り決めた内容を、ご自由に記入してください。
“家の中の家財道具一式は置いていく!”
“カギはないので、買主さんで取り換えて”
など、細かいことも書いておくと安心ですね。

契約締結・代金決済・引渡し

契約書の文案が固まれば、契約書への署名・押印、代金決済へと進みます。

原則として、売買契約と同時に代金の決済、物件の引渡しを行いますが、引渡しの準備や資金の準備に時間を要する場合には、契約後、日を改めて代金決済を行っても問題ありません。←この場合は、いつまでに代金決済を行うのか、契約書に記載しておくことが望ましいです。

代金決済・引渡し時に行うこと

売買代金の受渡し・鍵の受渡し
固定資産税・都市計画税等の日割清算
領収書の作成
登記書類の受渡し

売買代金・鍵の受渡し

売買契約書で定めた売買代金の受渡し・鍵の受渡を行います。売買代金については、現金で受渡を行っても大丈夫ですが、銀行振込を利用するとより安全ですし、取引の履歴も残りますので、後日に確認することもできます。

固定資産税・都市計画税の日割清算

必要な場合には、日割清算を行います。売買代金とは別に、日割清算額の受渡を行います。

領収書の作成

売買代金・固定資産税・都市計画税の日割清算金等、当事者で受渡を行った費用については、領収書を作成します。たとえ少額であっても、税務申告時に必要となることもありますので、しっかりと作成されることをオススメ致します。

登記書類の受渡し

売主さんは、買主さんに対して、代金の支払いと引き換えに、名義変更登記(所有権移転登記)に必要な書類一式を交付します。具体的には、次のような書類です。

  • ・権利証もしくは登記識別情報通知
  • ・売主さんの印鑑証明書
  • ・買主さんへの登記委任状
  • ・物件の評価額が分かる書類

買主さんは、名義変更登記(所有権移転登記)を行う上で必要なものが揃っていることを確認しましょう。
お金を払ったけど、書類の不備で名義変更登記が出来なかった・・・なんてことになると大変ですので、要注意です。

名義変更登記(所有権移転登記)を申請する

買主さんは、売主さんから受けとった書類を使って、管轄法務局へ名義変更登記(所有権移転登記)を申請しましょう。
名義変更登記(所有権移転登記)に必要となる書類は、次の通りです。

  • ・登記申請書
  • ・買主さんの住民票
  • ・売主さん買主さんへの委任状
  • ・売主さんの印鑑証明書
  • ・物件の評価額がわかる書類
  • ・権利証もしくは登記識別情報通知

名義変更登記(所有権移転登記)の申請前に、住所変更登記や抵当権抹消登記が必要となるケースもありますので、良く分からない場合には、管轄法務局の登記相談を利用すると、基本的な事項は教えてもらえます。

名義変更登記が完了すると、買主さんに「登記識別情報通知」という書類が発行されます。これが、俗にいう「権利証」です。

登記識別情報通知には、12桁の暗証番号が記載されており、物件を売却したり、物件を担保にお金を借りたりする際に、必要となります。とても重要な書類ですので、大切に保管しましょう。

事務作業を自分でやる??依頼する??どっちが良いのか??

登記手続が終われば、不動産の売買の手続は完了です。1つ、1つの作業を順を追って、丁寧に行っていけば、不動産屋さんを通さなくても、問題なく不動産売買の手続が完了します。

ただし、売買金額が高額になる場合や、時間がない場合、書類の作成等の事務作業に自信がない場合には、第三者に作業を依頼したほうが良いかもしれません。

不動産屋さんや司法書士事務所に事務作業を依頼した場合に手数料と、ご自身で事務作業をおこなう場合のリスク・労力を比較して、対応方法をご検討されることをオススメ致します。

司法書士法人あやめ池事務所に依頼した場合

司法書士法人あやめ池事務所では、不動産の売買に係る事務作業をまとめてサポートするプランをご用意しています。

【料金に含まれる作業内容】

売買契約書の作成
領収書の作成など、代金決済サポート
代金決済立会業務
物件の事前調査
名義変更登記申請一式
事前相談60分無料

古家の個人間売買をお考えの際には、お気軽にご相談ください。

【お問合せ・お見積はこちらから】

司法書士からひとこと

司法書士からひとこと

古家の個人間売買では、事前調査が非常に大切です。とくに田舎の物件になると、隣地との境界があいまいであったり、建物を特定する事が難しかったりと、売買対象物件について正確な調査が難しい場合もあります。物件調査で行き詰った場合には、無理をせず、不動産業者や司法書士など専門家にご相談されることをオススメいたします。

不動産の名義変更、相続、遺言、離婚、会社登記など

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初回相談60分無料

正式にご依頼を頂くまで、費用はかかりません。

司法書士法人あやめ池事務所では、ご相談を頂いたお客様に、手続方法のご提案書・概算見積書を差し上げています。正式なご依頼前に、手続内容や費用について、じっくり時間をかけて確認したり、ご家族と相談したり、ご自身で納得できるまで、よくご検討ください。

相談後に、あやめ池事務所から営業電話や手続の催促をするようなことはありません!ご安心してご利用ください。

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