必要な登記の種類は??
不動産の購入に際して、登記手続が必要なことは、誰もが知るところです。しかし、具体的な登記の種類については、わからない方がほとんどです。下記を参考に、ご自身に必要な登記の種類を確認してください!
現金で購入する方
↓↓↓
所有権移転登記のみ
住宅ローンを利用して購入する方
↓↓↓
所有権移転登記+抵当権設定登記
所有権移転登記とは??
所有権移転登記は、売主さんから買主さんへ不動産の名義を書き換える登記手続です。売買での登記では、必須です。
抵当権設定登記とは??
抵当権設定登記とは、不動産を融資金の担保として登録する手続です。住宅ローンを利用する場合には、ほぼ確実に抵当権設定登記が必要です。
※ごくまれにある「無担保の住宅ローン」をご利用の際には、抵当権設定登記は不要です。
住宅用の家屋には軽減措置がある!
必要な登記手続の種類が判明したら、つぎは、「軽減措置の適用の有無」を確認します。
購入する不動産が、次の要件を満たす場合、かなりお得な軽減措置が適用されます!具体的な軽減措置の内容については、後述します。
住宅用家屋証明書の軽減措置の適用要件
- 自分の居宅として使用すること
- 床面積が50m2以上
- 築年数が20年以内 ただし、鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造については建築後25年以内
※適用要件を簡単にまとめたものです。住宅用家屋の軽減措置について詳しく知りたい方はこちら
・登記費用が安くなる!住宅用家屋証明書について
登記費用の計算に必要な情報
登記費用の具体的な計算に必要な情報は下記のとおりです。
- 〇 不動産の固定資産評価額
- 〇 抵当権の債権額
不動産の固定資産評価額
登記費用の計算には、実際の売買価格ではなく、固定資産評価額を利用します。
すでに仲介の不動産屋さんがおられる場合には、不動産屋さんに「固定資産評価額を教えてください!」と伝えると、固定資産評価額が記載された「評価証明書」のコピーやスキャンデータをくれます。
マンションの場合、専有部分(お部屋)と敷地部分の評価額が必要です。
※マンションの敷地の評価額ですが、市町村によっては、評価証明書に「敷地全体の評価額」が記載されている場合があります。
この場合は、敷地全体の評価額に「敷地権の割合」を乗じて、購入する部分についての評価額を割り出す必要があります。
また、まだ購入するかどうか迷っていて、不動産屋さんには依頼していない場合には、下記の記事を参考にしてください!
・【ネットで出来る!?】土地の固定資産税評価額を簡単に調べる方法!
抵当権の債権額
原則として、住宅ローンの借入金額=抵当権の債権額となります。
ただし、土地を購入し、後日建物を建築するような方は、土地購入時の登記時点で、「土地+建物のトータル」に関するローン金額を抵当権の債権額とする金融機関もありますので、注意が必要です。
具体的には、4月に土地を1000万円で購入し、半年後の10月に2000万円の住宅が完成予定の場合、4月の土地の登記時点で、債権額3000万円の抵当権設定を行う銀行もあれば、債権額1000万円の抵当権設定しか行わない銀行もあります。
ご利用先の金融機関に「抵当権の債権額はいくらですか??」と確認すると教えてくれます。まだ、利用する金融機関が確定していない場合は、とりあえず、「土地+建物のトータル」の借入金額を使ってよいと思います。
登記費用を計算しよう!
これまでに確認した事項をもとに、登記費用を計算します。
まず、登記費用の内訳は、大きく分けると、「登録免許税等の実費部分」と「司法書士の手数料部分」の2つになります。
「登録免許税等の実費部分」と「司法書士の手数料部分」の合計金額が登記費用となります。
まずは、「登録免許税等の実費部分」の計算方法について解説します。
登録免許税等実費部分の計算方法
登録免許税等実費部分の計算方法は次の通りです。なお、事前に確認した、軽減措置の適用がある場合は【 】内の軽減税率が適用されます!
〇 所有権移転登記の登録免許税
土地の固定資産評価額 × 1.5%
建物の固定資産評価額 × 2.0%【0.3%】
〇 抵当権設定登記の登録免許税
抵当権の債権額 × 0.4%【0.1%】
〇 登記情報・図面等の事前調査費用など雑費
一般的な住宅の場合 5,000円程度
これらの合計金額が「登録免許税等の実費部分」の金額となります。
司法書士手数料の計算方法
司法書士の手数料は、完全に自由化されており、依頼する事務所によって大きく異なりますが、一般的な司法書士手数料の相場は下記の通りです。
司法書士の手数料の相場※
〇 所有権移転登記のみ
=54,800円
〇 所有権移転登記+抵当権設定登記
=95,202円
※この相場金額は、平成25年に日本司法書士会連合会がおこなった手数料調査の結果を、筆者が独自にわかりやすくまとめたものです。(近畿地区の調査結果をもとにしています。)
登記費用の総額
ここまでに算出した「登録免許税等の実費」と「司法書士の手数料」の合計が登記費用となります。
冒頭でも書きましたが、登記費用の計算方法が理解できれば、不動産購入時の諸費用を含めた資金計画がより具体的になります。
また、すでに不動産業者さんや金融機関から登記費用の提示をされている方は、提示された登記費用が妥当な金額なのか簡単に判断できるようになります!
まとめ
司法書士の手数料は要チェックです!
登録免許税等の実費部分は、上記のとおり、計算方法も明確で、どの事務所に依頼してもほぼ同額になります。
ただし、司法書士の手数料は、依頼する事務所によって、金額に大きな差があります!登記費用の「高い!」「安い」を決めるのは、司法書士の手数料部分なのです。
ぜひ、司法書士の手数料部分に注目して、ご自身で登記費用の計算を行ってみて下さい!
ちなみに、筆者が運営するあやめ池司法書士事務所では、相場価格よりも低価格で不動産名義変更の手続を行っています。
最短15分で登記費用の見積金額を提示する「登記費用診断サービス」も実施しています。宜しければ、このページの一番下よりご確認ください。